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名門・米国のロサンゼルス・フィルハーモニックが、今月28日(土)と29日(日)、東京公演を行います。彼らを率いるのは、いま世界が最も注目する指揮者、グスターボ・ドゥダメルさん!

ドゥダメルさんは、ロサンゼルス・フィルのほかにもベルリン・フィルやミラノ・スカラ座など数々の名門と競演する一方、母国ベネズエラでの「エル・システマ」プログラムの音楽監督を勤めています。その一環として彼が指揮する「シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ」の、クラシックの常識を覆す楽しすぎるプレイは、クラシックの枠を超えて大きな話題となっています。その模様はPouchでも以前紹介しました。

今回は、ドゥダメルさんにとって初の来日公演。記念すべき同コンサート……のリハーサルという名目で、福島県相馬市&ロサンゼルスの子どもたちと合同コンサートを開催するというのです。

【子どもたちに音楽の素晴らしさを伝えるエル・システマ】

この企画には、日米の「エル・システマ」が関わりました。エル・システマとは、貧困層の子どもたちを犯罪から救う音楽教育として、1975年にベネズエラでスタートしたプログラムのこと。必要な楽器やレッスン費用、会場代はすべて無料。国家予算を組んだ正式な国家プロジェクトとして、ベネズエラ国民3千万人のうち40万人が加わっているのだそうです。

実はドゥダメルさんも、同プロジェクトで音楽を学んだひとり。これをきっかけに、28歳でロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽監督に就任し、その後の活躍がある、というわけ。

【エル・システマ式で音楽を学ぶ、日米の子どもたちと共演】

29日午前11時、ロサンゼルス・フィル本公演直前にあたる時間に行われるのが、この合同コンサート。世界が注目する若き巨匠と共演するのは、ロサンゼルス・フィルが運営する、エル・システマ式を取り入れた子どものオーケストラ「Youth Orchestra Los Angeles (YOLA)」。そして、同じくエル・システマ式を取り入れている「相馬子どもオーケストラ&コーラス」。

【エル・システマジャパンは今年で3周年を迎えるプロジェクト】

今年3月で3周年を迎える一般社団法人エル・システマ ジャパンは、東日本大震災の被災地、福島県相馬市と岩手県大槌町で始まったプロジェクト。家庭の事情に関わらず、すべての子どもたちが無償で楽器を習ったり、オーケストラで演奏したりする機会が持てるよう、南米ベネズエラ式エル・システマを採用。音楽教育を提供し続けている、非営利団体です。

【経費を除くすべての収益は、寄付へ】

YOLAの子どもたちはコンサート前となる3月26日から28日、福島県相馬市を訪問。地域での合同練習、コンサートも行う予定なのだそう。なお、彼らが出演するコンサートの収益は、経費以外はすべて、公演実施のための寄付となります。

なお本公演のチケットは、9000円から。一方「ドゥダメルと子どもたち 特別リハーサル&コンサート」チケットの価格は、1000円。未来への夢や希望に満ちあふれた子供たちと才能豊かな指揮者の共演を目の当たりにすべく、当日はぜひ双方に、足を運んでみてはいかがでしょうか。

参照元:エル・システマジャパン エル・システマジャパン フェイスブック SOW EXPERIENCE meets El Sistema Japan イープラス
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼エル・システマ、素晴らしい試みです!