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5月3日はリカちゃんの誕生日! キュートな国民的着せ替え人形「リカちゃん」の本名は香山リカ、あかるくてちょっとあわてんぼうな永遠の小学5年生です。ところでみなさん、リカちゃんにはお姉さんがいるって知ってた? 

今回はリカちゃんのお誕生日ということで、販売元タカラトミーの公式HPにも掲載されていない人物・リエお姉さんや、リカちゃんのフランス人のパパ・香山ピエールが行方不明になっていた過去など、リカちゃんの謎めいた生い立ちに迫ります!

【リカちゃんの過去を徹底調査】

タカラトミー監修のリカちゃん30周年の歴史を綴った書籍『リカちゃん完全カタログ』および、1960~1970年代のリカちゃん情報をまとめた『想い出のリカちゃん』を参考に、リカちゃん一家について調査を敢行しました。その結果、女の子の大親友・リカちゃんの壮絶な過去が明らかになったよーッ!! 

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【リカちゃんの誕生は1967年】

バービー人形など、当時のお人形といえばアメリカのコピー製品が大半だった1960年代。日本の少女の手に合い、感情移入のできる人形を作ろうというメーカーの意図で、1967年に誕生したのが「リカちゃん」人形です。

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リカちゃんの初期設定は、白樺小学校に通う小学5年生の女の子で、ファッションデザイナーのママ・香山織江とフランス人のパパから生まれたハーフ。

当時は◯◯子という名前の子が多いなかで、「リカ」という名前は当時の女の子たちの心に相当オシャレに響いたらしく、現実にはありえない華やかなライフスタイルに憧れる子が続出したそうです。その気持ち、すごく分かる〜っ!!

【パパは22年間パリから帰ってこなかった】

パパ・ピエールはなんと、リカちゃんが生まれたときからフランスのパリ暮らし。そんなわけで、子育ては日本にいるママに任せっきり。リカちゃん、双子の妹ミキちゃんとマキちゃん、そして三つ子の弟妹かこちゃん・みくちゃん・げんくん、以上6人の子供をママが1人で育てていたらしいの!
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そんなパパは発売開始となる1989年、リカちゃん一家のもとにひょっこり現れてイクメンぶりを発揮。それにしても、22年間も日本に帰ってこなかったなんて……(パパの過去に疑心暗鬼)。

【消息不明のリエお姉さんは、なんと国際線のスチュワーデス!】

1972〜1974年まで存在していたものの、現在は消息不明なリカちゃんのお姉さん・香山リエ。国際線のスチュワーデスとして活躍していた彼女は、当時パリの目抜き通り・シャンゼリゼのアパートでパパと二人で暮らしていました。

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リエお姉さんがスチュワーデスになったのは「大空への夢と憧れの日本へ行ってみたかったから」という理由らしいの! チャームポイントは左耳の小さなホクロ。

【リエお姉さんのドラマチックな登場秘話】

「モード・ニッポン・デザインコンクール」に入賞したファッションデザイナーのママが、パリで開かれるコンクールに参加するため、飛行機に搭乗。長時間のフライト中に気分が悪くなってしまったママに、スチュワーデスさんが優しく声をかけました。

ママが「あなた、お名前は? お父様は何をなさっているの?」と尋ねると、「私、香山リエです。父はフランス人でオーケストラの指揮者をしています。母は日本人です。でも事情があってパリで父と暮らしています」。それで気がついたママは「リエ、ママよ!」と大粒の涙を流したといいます。なんともドラマチックな再会シーンです。

【姉はなぜ消息不明になったのか?】

リエお姉さんは1972〜1974年まで日本に帰国。リカちゃんとの仲も良好で、ママに言えない話もリエお姉さんに相談するぐらい、リカちゃんから慕われていたそうなの。ところが『リカちゃん完全カタログ』によれば、1974年以降は消息不明に。

明確な理由は公表されていないものの、こんな憶測が飛び交っています。リカちゃんのママの年齢は33歳という設定で、スチュワーデスとして働いている娘を持つには若すぎるゆえ、辻褄が合わず消えてしまったのではないか? というもの。さて真相はいかに……!?

【幻のリエちゃんに会える!?】

消息不明になってしまった姉のリエちゃんですが、調査した結果、福島県小野町の「リカちゃんキャッスル」で会えることが判明。日本唯一のリカちゃん人形一貫生産オープンファクトリーである「リカちゃんキャッスル」では、リエちゃんが2階の展示スペースに展示されているそうです。興味のある方は、ぜひ会いに行ってみてくださいね。

【リカちゃんは、由緒ある王家の末裔だった】

ところで『リカちゃん完全カタログ』には、リカちゃんの家系図が掲載されていますが、リカちゃんのパパ・ピエールの実家にあたるミラモンド家は、なんと祖先が王様というフランス貴族

現在のリカちゃんのセレブな暮らしやマダムの貫禄を感じさせる所以は、王家の血筋を引いているからなのですね! この家系図にはもちろん、リエお姉さんも載っていますよ。
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それにしても、あのロマンチックなリカちゃんに、こんな切ないストーリーが隠されていたとは……! と、記者(私)も驚きを隠せないリカちゃんの過去。「父親はフランス人」「ファッションデザイナーのママがひとりで子育て」「スチュワーデスの姉」「洋風で華やかなリカちゃんハウス」など、高度経済成長期の当時の少女たちの心を掴む設定は、今の私たちから見ても、憧れちゃいますね。

ロングセラーのリカちゃん、今後も女の子たちの永遠の親友であり続けてもらいたいものです。ボン・アニヴェルセル、リカちゃん!!(お誕生日おめでとう)

参考=リカちゃん完全カタログ想い出のリカちゃんリカちゃんキャッスル
画像=国会図書館
執筆=sweetsholic (c)Pouch