【快感♡サウナ女子の世界】第0回：サウナって「超気持ちいいもの」なんだよ

全国のサウナをめぐり、自分でサウナを作るほどのサウナ好きブロガー「サウナ女子」による女子向けサウナ布教連載がスタートです！

第0回ではキラキラOLを目指す「私ちゃん」にサウナ女子がサウナの魅力と入り方を指南……？　「サウナなんて熱いだけ」と思ってる乙女にこそ読んでほしいですっ。

私は都内に住むしがないOL。大学から東京に出てきて、早7年。六本木の法律事務所で事務をしている。後輩の指導を任されたり、なにかと仕事の責任も増えた。最近はストレス解消になるかと思い、色んな習い事の体験に行ってみたりもしたけれど、あんまりしっくりくるものはない。

今日は仕事帰りに大学の先輩と、恵比寿のオシャレなカフェで仕事の人間関係（あと恋愛方面も）についてぐだぐだおしゃべり予定。

先輩は普段はキャリアウーマンのくせに、最近「サウナ女子」という名前でSNSでやたらサウナサウナと騒いでいる。裏で「サウナばばあ」と呼ばれていたり……。

「久しぶり。元気してた？」

「元気でした。でも、最近使えない後輩の指導でストレス溜まってるっす。旅に出たいんですよね〜！」

……と、ひとしきり最近の状況を話して、気になっていたことを聞いてみた。

「ところでパイセンが最近SNSでサウナ！サウナ！って騒いでるけど、なんなんすか？　サウナって、めっちゃ熱くないすか？　てかおっさんかよ！」

「あ、見てくれてるんだ〜。もしかしてサウナに興味持ってくれた感じ？　ねえ、気持ちいいことって好き？」

いきなり何を言い出すんだこの人は、話のきっかけで言っただけで、サウナなんて興味ないし……と思いながらも少し考える。

「まあ、好きですけど。ていうか、気持ちいいこと嫌いな人はいないですよね」

「だよね。サウナって、『超気持ちいいもの』なんだよ。海外旅行は年に1、2回くらいしかいけないけど、近くのサウナに週1で行くだけでストレス解消になってる」

「え、でもサウナとか熱いし、おっさんが行くところじゃないですか。女子は岩盤浴とかのがよくないですか〜？」

「岩盤浴も好きだよ。穏やかなリラックス効果って感じで。今、サウナは熱いって言ってたけど、実は、サウナって水風呂とセットなのよ。サウナで熱くほてった体で水風呂に入ると、ガツンと気持ちよくなれちゃうんだよね。宇宙に飛べる」

（宇宙に飛べる……？　なに言ってんの怖い……）

「なんでそもそもサウナにハマったんですか？」

「私運動とか嫌いだし、ストレス発散はお酒や人と話すことだったけど、逆に疲れが溜まることもあるし、お金も出てくし！　もっと1人でゆるく、安いストレス発散法はないかなって思ってたの。そしたらある日、仲良しのメンズに『最近ハマってるんだけどサウナ行かない？　最高に気持ちいいよ』って言われて」

「最初はサウナ？　水風呂？　ムリムリムリ、熱すぎるし冷え性なのにわざわざそんなの入るとか意味不明！　だから拒否ってた。それに男からの誘いをすぐ受けるようじゃ、安い女って思われるじゃん？」

「は、はあ……」

「でも、割と熱心に2カ月くらい誘ってきて。しかもすごく楽しそうにどこのサウナはこんなで、今日はこんな体験をして、気持ち良かった！って話してくるの。その頃仕事がキツい時期だったから、やたらハッピー感出してきてちょっとうざかったんだけど……」

「ある時、『今から池袋のサウナに行く、おごるからお前も来ない？』って。じゃあそこまでいうなら。って接待サウナのつもりで行って」

「接待サウナ……！」

「そこはいわゆるアツアツのドライサウナじゃなくて、塩のミストサウナで。塩スクラブでマッサージしたらお肌ツルツルになるし、スチームで花粉症の鼻とか肌が癒されるかもなー、とりあえず美容にいいかなーと思ってさ」

「で、メンズの言うとおりに普段よりちょっと長めに、あつーいってなるまで入ってみたのね。根がストイックだから、その辺の人に負けじとテレビ見ながら結構フラフラになるまで。多分その時は7分くらい」

（え、我慢大会かよ……7分て。でも私も走ったり泳いだりするし、何事もストイックにやるのは嫌いじゃない。Mだし）

「まあ、今なら体もアツアツだし、せっかくだから試してみるかって何気なく水風呂に入ったら、まるで熱されたフライパンをジュって水につけるようなイメージなんだよね。」

「想像してみて。砂漠でカラカラになってからオアシスの水に飛び込む感じ。まあ、砂漠とか、行ったことないけど」

「行ったことないんかい！」

「体が冷えるのが怖いからすぐに出たんだけど、そのあとすぐ身体がドクドク、ポワーンって内側からあったまってきて」

「その辺の椅子に座って目を閉じたら、自分の鼓動の音と血流、お風呂の水の音の反響、水風呂で冷やされてジンジンする肌、それを撫でる風。五感が鋭くなって、普段考えちゃうような仕事とか恋愛とかの雑念が消えていって、空っぽになる感じ。脳から色んなものが消えていく」

「あ～気持ちいい～宇宙に感謝～みたいになっちゃって結構感動的な体験だった。超ディープリラックス」

「そうそう、ヨガやってる人は感覚わかりやすいかも！　それでサウナと水風呂の気持ち良さに目覚めちゃって。あれをおっさんだけのものにしておくのはもったいないよほんと」

（この人、突然何かが乗り移ったように語り出したぞ！）

「ヨガ、月会費だけ払ってほぼ行かなかったなあ……」

「私も。サウナなら500円くらいで行けるところもあるし。まあ実際体験してみないとわからないと思うから、今度一緒にお風呂で癒やされがてらサウナ行こうよ！　熱いのや冷たいの我慢する必要ないし、汗かいてお肌にもいいよ、あったまって代謝上がるし」

「水風呂はちょっと勇気いりますね……でもなんか美容効果とか気になる。あとわたし代謝悪いんすよね。上がるかな〜」

「ま、今は乗り気じゃないのわかるよ。私も時間かけてサウナを口説かれたから、頑張って口説くね。メンズの方がサウナに抵抗ないから、サウナフレンド、通称サフレも結構できたりするよ！」

「サフレってなんなんですか！　あとメンズっていうなよ!!」

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帰りの電車でパイセンに言われた「気持ちいいことって好き？」という言葉を思い出した。

ほんとにサウナって気持ちいいのかな。綾野剛似のサフレ欲しいな。窓に映る自分を見ながら考えてみたものの、綾野剛の上裸タオル姿を想像しただけで、すぐに忘れてしまった。

サウナデビューは、思ったよりも早く訪れるとも知らずに……。

執筆=サウナ女子 / イラスト=百村モモ (c)Pouch

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