サウナにハマりすぎてサウナの本場フィンランドにまで行ってしまった先輩から、

今までに体験したことのないサウナの姿を見せてあげる。横浜に来られたし

と怪文書のようなLINEを受け取り、お買い物がてら横浜までやってきた。

最近は美容もストレスも気になるお年頃ということもあり、サウナ女子パイセンとよくサウナに入ってストレス発散&リラックスしている。

横浜駅前で合流した瞬間
「ヤバッ、ロウリュの時間まであとちょっとだから急いで! 早歩き!」

競歩のような勢いで歩くサウナ女子パイセン。とりあえずついて行くものの、ロウリュってなんなんだー?

今回の目的地は「スカイスパYOKOHAMA」。関東のサウナ好きの間では評判の店らしい。横浜駅直結のスカイビルにたどり着き、受付を済ませると、入り口に、のっぽさんとかスナフキンがかぶっているようなカラフルな帽子が沢山並んでいる。なんなんだろう。

脱衣所や浴室は白基調のヨーロピアンスタイルになっている。
「センパイ、あの入り口に飾ってあった帽子なんなんですか?」

サウナ女子
「あれはサウナハットってアイテム。空気は上に行けば行くほど熱くなるから、サウナで頭だけ熱くなりすぎるのを防ぐために、水に濡らしてから被るんだよ」

私
「へ、へえ~?」

サウナ室で帽子? 正直よくわからない……。今まで行ったサウナでそんな人見たことないし。

サウナ女子
うふふ。今日は私ちゃんの分もサウナハット持ってきたからかぶってみて。女子は髪の傷みも気になるしね」

私
「(マジかよ……)あ、思ったより柔らかい。これは家庭科の時間に使ったことがある…フェルトだ!」

水に濡らして絞ってから被ると、頭がすっぽり包まれてなんだか不思議な安心感がある。全裸に帽子、これはもしや新しいHENTAIの形なのでは?と思いながらサウナに入室。

私
「センパイ、ここ、サウナなのに窓があるんですね!」

目の前には高速が走り、横浜の巨大な高層ビル群。よくテレビでやってる芸能人のお家からの眺めみたい。

サウナ女子
「スカイスパのサウナは非日常感あって良いよね。普通のサウナは狭かったり、ちょっと薄暗かったりするから閉塞感が苦手っていう人にもここのサウナ室はオススメなの。夜の夜景も綺麗だよ~」

店員「もうまもなくでロウリュはじめまーす」

サウナ女子
「おっ、ロウリュ始まるよ! 私始まる前に水風呂で体を冷やしてくるね~」

私
「ちょ、ちょっとまってくださいセンパイ! ロウリュってなんなんですか!
サウナ女子


「ロウリュはフィンランド語で“降り注ぐ蒸気”って意味で、熱く焼けたサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させるの。日本のロウリュはアロマ水をかけた後、係の人がうちわやタオルを使って、熱風を直接浴びせてくれるから人気なんだよ。たった数分で身体が熱々になるから、早送りサウナって感じかな。ま、体験してみて!

今までどこにいたのかわからないくらい、サウナ室に続々と人が集まってきた。

店員「こちら水素水です、発汗作用、抗酸化作用があるといわれております。お顔や体にかけてお使いください」

キラキラした小さなスプレーボトルを手渡される。なんだかゲームのエリクサーみたいな見た目にテンションが上がる。

サウナ女子


「スカイスパでは1~2時間ごとにロウリュサービスが行われて、それぞれアロマが違うんだよ! 今回はビューティーフラワーだけど、青リンゴやカモミールなんかもあるの」

店員「それではロウリュはじめていきます。初めての方はいますか? もし苦しく感じたら途中で退室いただいても構いませんからね。

と、丁寧に案内された。ちょっと緊張するけど無理せず挑戦できそう!

スタッフさんがバケツに入ったアロマ水を柄杓ですくい、熱々のサウナストーンにそそぎだした。

サウナストーン「じゅっわあああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~!」

音が鳴ると同時に華やかな香りと暖かい蒸気が室内いっぱいに広がった。少し熱いけどいい香り~。
店員さんがうちわで空気を循環させ、さらにサウナ室内に蒸気を満たしていく。

「これからうちわでみなさんに向けて暖かい空気をお送りします」
店員さんがものすごく巨大なうちわを持ち、座っている私たち一人ひとりに向けてあおいでくれる。私の順番が来て、ブン! と目の前でひとあおぎした瞬間、カーッと熱い空気が直撃。体が一気に温まり、汗が吹き出す。何コレ……熱いけど意外と息苦しくないかも!

サウナ女子
スカイスパの女性サウナは、アロマ水がやや少な目のソフトなロウリュなんだって。だから熱すぎるのはちょっと、という人でも挑戦しやすいと思うからオススメ!」

と言いながら店員さんに「もう1回あおいでください!」とおかわりをお願いするパイセン。貪欲だ!

ロウリュタイムが終わってから水風呂へ。熱風を受けて熱々になった体を冷やしたい女性で溢れている。ロウリュのおかげか、水風呂に入りたくてウズウズしている自分がいる。

身体が熱い、熱くてたまらない! 水風呂に入りたくてたまらない!!

ゆっくり水風呂に入っていくと熱くなった体にメンソールのような刺激を感じる。冷たいんだけど、なんだろう、皮膚が喜んでいる! そしていつもより冷たすぎる感じはない。熱々の身体に水風呂がちょうどいい。そして、気持ちいい。最初は怖かった水風呂も今ではこの瞬間を心待ちにしている。

そして再びサウナへ。
私
「先輩! 今日、いつもよりサウナに長く入っていられる気がします!」

サウナ女子
「スカイスパはそんなに温度も高くないし、サウナハットをかぶっていると頭や耳が熱くならないから、サウナ室内で快適に過ごせるんだよ~」

私
「スタッフの人がサウナの入り方とか丁寧に説明してくれるし、友達連れてきてもよさげですね……」

サウナ女子
「たしかにサウナ初心者にもいいお店だよね。ふふ、サウナ布教活動する気になった?」

そんな話をしながら、あっと言う間にサウナと水風呂を繰り返し10分3セットが過ぎた。

サウナ女子
「ここに寝転がって!」
サウナ室を出てすぐの場所に設置されている「ウォームベッド」と書かれたタイルで出来た白い椅子。とりあえず言われたまま寝っ転がると、じんわりと背中が暖かい。なにこれ気持ちいい!


軽く目を閉じ、呼吸に集中する。鼻の奥にアロマの香りが漂う。ビューティフラワーってなんなんだ……そういえば小さいときお花屋さんになりたかったな…あの頃はピュアだったな……ふふふ。

花の香りに包まれた極上のととのいタイムの中、色んな考えが浮かんだり消えたりしていたら、サウナ女子パイセンが突然ガバッと起き上がり、上気した顔で突然話し始めた。まとめる気だ!
サウナ女子
「スカイスパはグルメサイトにも度々取り上げられる特製キムチチゲや美味しいご飯、エクストラコールドのビールがあって、カップルだけでなく企業のサウナ部飲み会に使われていたり、電源もあるテーブルもあるから仕事や作業もできて、ビジネスパーソンの憩いの場になってるんだよ!」

(また唐突にサウナ以外のところをはしょってアピールしてきた~!)

館内着に着替えて床暖の暖かい部屋で雑誌を読みながらゴロゴロしていたら、サウナデートをするカップルが目に入った。くー! いちゃいちゃしやがって!

でも一人で来てPCをいじっている男性も多い。サウナで仕事って集中できるのかな? そういえば私も友達の結婚式のムービーとか色々作業があるんだった。そろそろアイディア出ししないと…

そんなことを考えている間にちょっとうたた寝してしまい、作業については忘れてしまった。

自分がサウナにこもって作業する日が思ったよりも早く訪れるとは知らずに…。

【今回のサウナ】
店名:スカイスパYOKOHAMA
住所:神奈川県横浜市西区高島2-19-12 スカイビル14F
営業時間:10:30~翌朝9:00(22.5時間営業)年中無休
石けん:シャンプー、リンス、ボディソープ、洗顔、クレンジング(資生堂、POLA、DHC)
その他:歯ブラシ、シャワーキャップ、ヘアゴム、化粧水、乳液、ヘアトリートメント
ドライヤー:無料
アイロン:カール・ストレート

執筆=サウナ女子 / イラスト=百村モモ (c)Pouch