「おやき」と聞いて東北出身の私が思い浮かべるのは、長野県名物、手のひらサイズのまあるい食べ物。小麦粉や蕎麦粉でつくった皮に、野沢菜や高菜、あんこなどの具材を包んで焼いた、おなじみのアレです。

ささっと食べられて美味しいから、高速道路のサービスエリアなどで見かけるとつい購入してしまうものナンバーワン(わたし的に)。そんな「おやき」の話を Pouch 編集部でしていたところ、北海道出身のスタッフとだけ、どうも話がかみ合わないことに気がついたのであります。

【よくよく話を聞いてみたら…驚きの事実が判明!】

おやきといえば、もっちりとした食感が特徴。ですが北海道出身スタッフによる “おやき評” はというと、「生地がふわっとしていて美味しいですよね」

ふわっと……? まあ感じ方は人それぞれだから否定はしたくないのですが、なんだかちょっぴり違和感を感じます。

モヤモヤを解消するべく「おやき」の写真を見せたところ、北海道出身スタッフが驚くべき一言を口にしたのです。

「なにこれ……ま、まんじゅう? 自分が知ってるおやきと全然違うんですけど!」

驚愕する長野県出身スタッフとわたし。するともう1人の北海道出身スタッフがやってきまして「北海道では、今川焼きのことを“おやき”って呼ぶんですよ」と教えてくれました。えええ、そうなの? 北海道では「おやき=今川焼」って、そりゃ話が合わないわけだわ……!!

【青森や岩手でも今川焼きを「おやき」と呼ぶ傾向が】

ほかにもいろいろ調べてみたところ、ウェブサイト「Jタウンネット」の「全国各地の今川焼の呼び名」について調査した記事を発見。そこにもたしかに「北海道では、今川焼をおやきと呼ぶ」とあり、ほかに青森県と岩手県でも同じ傾向があるということが報じられていました。

【長野県民にとっての「おやき」はソウルフード】

ちなみに長野県出身スタッフの話によると、「長野のコンビニには、おにぎりやパンと同列でおやきが売られている」のだそうで、「給食はもちろん、お葬式の食事として出てくることもある」とのこと。背景を知ると、長野県民が愛してやまない “県民食” だということがよくわかります。

長野県のおやきを知らないという北海道出身スタッフに「ぜひ1度食べてみてほしい!」とすすめたことは、言うまでもありません。「同じ食べ物でも、地方によっては実は全くの別物を指している」というこの現象、まだまだたくさんありそうな気がしますね!

参考リンク:Jタウンネット
執筆=田端あんじ 画像 =Pouch  (c)Pouch