以前、Pouchでも紹介したことのある「感動ポルノ」なる言葉。「障害者が健常者に勇気や感動を与えるための道具になってしまっている」状態のことを指します。一方で、「配慮」という名の自主規制が求められる昨今、マイノリティな人たちの活躍の場は福祉・教育・チャリティー・感動ドキュメント番組に限られてしまっていると言って過言ではないのかもしれません。

そんな現状を少しでも変えるべく行動を起こしたのが、女優の東ちづるさん。マイノリティのPR活動をおこなう一般社団法人「Get in touch」の代表でもある彼女は、障害のあるパフォーマーたちと“平成の見世物小屋”ともいうべき「平成まぜこぜ一座」を結成。

現在、2017年12月10日におこなわれる一夜限りのショー「月夜のからくりハウス」に向け、クラウドファンディングサイト「Makuake」で企画に賛同してくれる人たちからの支援を募っています。

【小人プロレスが復活!】

日本でも以前はテレビで放送されていた小人プロレス。けれども「障害者を笑い者にするなんてかわいそうだ」という苦情により、テレビでは放映されなくなったといいます。

「けれども、それって、なんだかおかしくありませんか?」と疑問を投げかける東さん。「だって、彼らはその特性を武器にプロフェッショナルなパフォーマーとして誇りをもち、人を笑わせ、楽しませてきたのですから」。

こうして結成されたのが「平成まぜこぜ一座」。現役ミゼット(小人)レスラーのプリティ太田さんとブッタマンさん、そして女子プロレスラーのダンプ松本さんを迎え、舞台当日はスペシャルな小人プロレスが繰り広げられるそう

【30組超の個性的すぎるプロパフォーマーが集結】

このほかにも、リオ・パラリンピック閉会式で注目を集めた「車椅子ダンサー」、お笑い界で唯一の「寝たきり芸人」、NYアポロシアターのウィークリーチャンピオンの「全盲のシンガーソングライター」、「女装詩人」「手話漫才師」「日本で一番小さい手品師」などつき抜けた個性を持つプロパフォーマーたちが出演。その数、なんと30組以上!

東さんは「彼らのパフォーマンスはとてもユニークで刺激的。『障害者はかわいそう』などという偏見や既存の価値観をひょいっと変えてしまう、そんなパワーを持っています」とコメントしています。

【もし共感したなら……】

昭和の昔、お祭りや縁日の片隅で妖しい存在感を放っていた見世物小屋。私をふくめ実際に見たことがない世代の人も多いかと思いますが、だからこそ、あのゾクゾクとするような猥雑な雰囲気をいま私たちが味わえる機会は貴重です。

もし少しでも共感するものがあれば、ショーを観に行く、クラウドファンディングに申し込むなどしてみてはいかが?

平成まぜこぜ一座による「月夜のからくりハウス」は12月10日18時より品川プリンスホテルクラブeXにて。現在、チケットぴあなどでチケット販売中ですが、クラウドファンディングの一部リターンとしても受け取ることができます。

参照元:Makuake「月夜のからくりハウス」特設サイト
執筆=鷺ノ宮やよい (c) Pouch

▼「月夜のからくりハウス」パンフレット。イラストは山咲トオルさんが担当

▼小人プロレスについて髙部雨市さんが解説

▼寝たきり芸人 あそどっぐさん

▼日本一小さな手品師 マメ山田さん