【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。

今回ピックアップするのは絶賛公開中の映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018年7月13日公開)です。公開4日間で、動員145万3,273人、興収21億677万円。前作は公開7日目で達成した20億円突破を、この連休で突破するという快挙を成し遂げ、まさに恐竜の如く他者を寄せ付けない圧倒的強さを見せつけました!!!

そんな話題の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』。今回は2Dと4DXの両方で鑑賞して見比べてきました! どれくらいの差があるのでしょうか? ではまず物語から。

【物語】

人気テーマパーク「ジュラシック・ワールド」は恐竜たちの暴走により閉園しましたが、恐竜たちは島で生き続けていました。しかし、その島の休火山が活動を始め、このままでは噴火し、島は燃え、恐竜は絶滅してしまうという危機に……!

パークの元運営責任者のクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、ロックウッド財団から、恐竜たちを救い出し、他の島の保護区に移してほしいという依頼を受け、元彼で恐竜の飼育係オーウェン(クリス・プラット)と共に島へ向かいます。オーウェンは、かつて自身が育てたヴィロキラプトルのブルーと再会を果たしますが、そのとき想像もしないことが起こるのです。

【4DXは恐竜の足音を感じる!】

4DXが最も本領発揮したのは、主人公たちが恐竜の島へ渡ったときから。シトシト降る雨のシーンでは顔にミストがシュッとかかりますし、暗がりで登場人物にライトがあたると、観客席も一瞬ピカっと閃光します。恐竜がドスドスと近づいてくるときの振動は、そのまま体感できるので恐怖度がアップ。また恐竜と人間が逃げまどうシーンでは、椅子ごと左右に振られるので「誰か止めて~!」と叫びたくなりました。

とにかく4DXは、観客をめっちゃ振り回すので、アトラクション感覚で楽しめると思います。ただ、あまりに振り回されるので「次はいつ揺れる?」と身構えてしまい、物語に没頭できないと感じる瞬間もありました。酔いやすい人&物語を楽しみたい人は、2Dで見る方がいいかもしれませんね。2Dでも恐竜の迫力は十分に味わえます!

【可哀想で切なくて涙が出ました】

映像は進化し、恐竜たちの暴れっぷりも迫力が増し、パワーアップが止まらないこのシリーズですが、正直、第1作目の『ジュラシック・パーク』から、物語の方向性は変わりません。バイオテクノロジーによって誕生した恐竜たちを人間がコントロールできなくなり、パニックが起こるという人間VS恐竜の物語を貫いています。

本作が他の『ジュラシック~』シリーズと違うのは、泣けることです。人間たちに翻弄された恐竜たちに、おもわず感情移入してしまうようなストーリーになっているのです。

とくに泣けるのが、火山が噴火し溶岩が襲う島で、ブラキオサウルスが1頭だけ残されてしまうシーン。人間と数頭の恐竜は船に乗って逃げ切ったものの、ブラキオサウルスだけは、船に向かって叫び続けます。だけど、助けることができない。そんな悲しい最後を映画では丁寧に丁寧に描いています。

【この物語には続きがあるかも…? ラストに注目!】

ラストでは、恐るべき真実が明らかになったり、続編に繋がるかもしれないシーンがあったり、とにかく怒涛の連続のエンディングになっています。個人的には、続編があったら、かなり恐ろしい展開になりそうな気配を感じました。もしかしたら人類の危機に直面するかも……!?

とはいえ、テーマパークのアトラクション気分でキャーキャー楽しめる映画なので、お友だちとぜひ! 4DXで見る方は、ガンガン振り回されるので、満腹状態で映画鑑賞をすると気持ち悪くなる可能性がありますから、気を付けてくださいね!

執筆=斎藤香 (c)Pouch

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
(2018年7月13日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー)
監督:J・A・バヨナ
出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ジャスティス・スミス、ダニエラ・ピネダ、ジェフ・ゴールドブラム、B・D・ウォン、ジェームズ・クロムウェル、テッド・レヴィン、レイフ・スポールほか
© Universal Pictures

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