成人の読解力向上サービスを行う団体「Literacy New York Buffalo Niagara inc.」によれば、アメリカ・ニューヨーク州バッファローに住む大人の約30%が、「機能的非識字」の状態、つまりあまり上手に読み書きができないといいます。

この数字は全米平均を10%も上回ってしまっていて、バッファローの教育委員会もこの事態を重く見ているようなんです。

「状況を改善するには、子供たちに本を読んでもらうことが必要だ」と考えられた結果、バッファローの学校に設置されたのは、幼児から4年生までが読める本がずらりと並んだ書籍自動販売機

“販売機” といってもお金は一切かかることはなく、専用コインを投入してほしい本の番号を押せば、その本が出てくる仕組みとなっています。

【テープカット式が行われました!】

バッファローの地元メディア「WBFO」が報じたのは、書籍自販機を初めて設置した学校「Arthur O. Eve School of Distinction #61」で行われた “開会のテープカット” の様子。

自販機から出てきた本を手にした女の子が、それを頭上に高々と掲げる姿が映し出されており、表情は喜びに満ちています。

【教頭先生が頑張りました】

この学校で教頭を務めるアンセルド・ロビンソン(Unseld Robinson)さんは、

「バッファローの子どもたちは読むべき量の本を読めていない」

と考えていたらしく、別の学校で書籍自販機の存在を知って以来、ずっと導入したいと思っていたのだそう。

自販機のうちのひとつを書籍用にカスタマイズできないか業者に確認、適切なタイトルとサイズの本を選ぶなど準備を重ね、およそ1年半という歳月をかけてようやく実現させたのだといいます。

【読書の楽しさをたっぷり味わえますように】

ここまでくるのに総額で約34万円かかったそうですが、今後は学校に書籍や学用品などを無料で提供してくれる団体「Teacher’s Desk」によって継続的に補充され続けることが決まっているとのこと。

子どもたちがお金のことなど気にせず自由に好きな本を読むことで、いつしか「読書って楽しいんだ!」と思ってくれたなら、きっと大人たちの読解力アップにつながるはずです。他の学校も、後に続いてくれるといいですね!

参照元:YouTubeBored Panda
執筆=田端あんじ (c)Pouch

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