イギリス生まれのポール・バートン(Paul Barton)さんは、画家にピアニストと多方面に活躍するタイ在住のアーティスト。人間だけでなくゾウ(!)のためにピアノを弾くこともあるようで、その様子がYouTubeに投稿されています。

うっとりと聴き入っているゾウもいれば、声をあげて “セッション” をはじめるゾウもいて、みんな音楽を心から楽しんでいるようなんです。

【ピアノの音で立ち止まった!】

のっしのっしとゾウが歩く道の真ん中に設置された、1台のピアノ。そこへバートンさんがやってきて、イングランド民謡『Greensleeves(グリーンスリーブス)』のピアノ演奏を始めた途端……やってきた2頭のゾウがピタッと停止したではありませんか!

時折かん高い声をあげながら、音色に聴き入っているように見えるゾウたち。このかん高い声をバートンさんは「トランペット」と称していて、たしかにそんなふうにも聴こえる……かも?

演奏の最中、ゾウたちが耳をパタパタと動かすようすからは、ピアノの音色を楽しんでいることが伝わってくるようです。

【ピアノが大好きな盲目のゾウさん】

さらに別の動画では、61歳のゾウ・モンコル(Mongkol)のために、ベートーヴェンの『ピアノソナタ第14番(通称:月光ソナタ)』を演奏。

モンコルは、木の伐採・運搬のために使役されていた過去があり、それによって右目と牙を失っています。

とても穏やかで繊細で、音楽が大好きなモンコルのために、バートンさんは、昼夜を問わず演奏してあげているのだそう。

月明かりの下で静かにたたずむモンコルと、優しく流れるピアノの音、それに重なる虫の声、すべてが美しく胸を打たれます。

【心のケアのためにピアノを演奏】

それにしても一体なぜ、バートンさんはゾウのためにピアノを弾いているのでしょう?

バートンさんは保護されたゾウたちを音楽で治療するため、つまりゾウたちの心に安らぎを与えるためピアノを弾いているそうなんです。

人間の医療にも音楽療法が取り入れられていますが、ゾウにも取り入れられていたとはビックリ。バートンさんのピアノで、少しでも心の傷を癒やしてほしいものです。

参照元:YouTubeREUTERS
執筆:田端あんじ (c)Pouch

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