最新のテクノロジーを使い、SNS犯罪から子どもたちを守るため活動している団体・Bark。先日、YouTubeにある実験動画を公開し、世界中から注目を集めています。

子どもがいる37歳の女性が、11歳の少女・ベイリー(Bailey)のふりをしてSNSに潜入。すると瞬く間に、数多くの成人男性からメッセージが届き始めたんです。

【反応の速さ・多さに背筋が凍る】

自らの容姿に画像加工などを施して、11歳の少女・ベイリーとしてインスタグラムに写真を投稿した37歳の女性。

実験チームのメンバーと共に反応を待っていたところ、投稿してからわずか1分以内に2つのメッセージが届き、5分でビデオチャットのリクエストが……。

その後も続々とコンタクトが届きますが、相手はみな成人男性。ストレートに卑猥なメッセージを送ってくる者や、しつこく電話をかけてくる者まで現れて、起きている事態に愕然とします。

【行動がどんどんエスカレート】

しかも、卑猥な写真が送られてくる、「あなたの胸が見たい」と言ってベイリーの写真を欲しがるなど、内容がエスカレートしていくばかり。

結果的には、2時間半のあいだにビデオ通話による電話が7回も来たほか、11人から性器の写真が送られてきたというんです。

実験は1週間続き、そのあいだ52人以上の成人男性が連絡してきたそう。数の多さに驚かされると同時に、現実の怖ろしさを目の当たりにしてゾッとしてしまいました。

【対象となるのは何歳からか】

実はこのチームは以前、ベイリーと同様に「架空の15歳の少女・リビー(Libby)」を作り上げ、SNSの実態を明るみにするべく実験を行っていました。

しつこくリビーに会いたいと声をかけてくる男性に実際に会い、結果的にその男性は未成年誘拐・性犯罪未遂者として逮捕されています。

しかしチームは、「15歳という設定だと、大人との境が曖昧で、男性側も行為を正当化するおそれがある」と考えました。

親にとって知りたいのは、いったい “何歳から” こうした性的虐待の対象となり得るのかということ。さらに緻密な設定を練り上げ、協力体制を築いたうえで生み出された少女が「11歳のベイリー」でした。

実験の結果は、動画のとおり。むしろベイリーが “何も知らない子ども” だからこそ、より過激な要求が多かったというのです。

【子を持つ親・学校にこの現実を知ってほしい】

今回の実験を行ったBarkは、子どもを狙った犯罪者をFBIに報告し続けているのですが、その数は2年間でおよそ400人にのぼります。

実験動画は、子どもを持つ親や学校に、こうした「SNSにひそむ危険」を知ってもらうべく作成されたものですが、ベイリーを演じた女性は、「子を持つ親でなくとも愕然とするはずだ」と語っていました。

全編英語ですが、映像だけでもその恐ろしさが十分に伝わってくると思います。

参照元:YouTubeBark
執筆:田端あんじ (c)Pouch