今回ご紹介するのは、TikTokユーザーのジョルジオ(Giorgio Lo Porto)さんが体験した、奇跡みたいなお話

ピアノが結んだご縁で、見ず知らずの隣人と仲良くなり、顔を知らぬまま壁を挟んでピアノデュエットするに至った(!)というのです。

小説のようにドラマティックな2人のやり取りは、世界中で話題。気になるその全貌とは……!?

【好きな曲をリクエストしたところ…】

ジョルジオさんと隣人の交流がスタートしたのは2021年2月のこと。

隣家から聴こえてくるピアノ演奏が気に入ったジョルジオさんは、まだ会ったこともない彼(もしくは彼女)に

「あなたのピアノ演奏がとても好きなので、もしよければ『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』を弾いてほしい」

と手紙でリクエスト。すると翌日、壁の奥から『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』が聴こえてきたというのです。

【壁越しのデュエットが感動的です】

そのわずか2日後、ジョルジオさんは「ピアノは少ししか弾けないけどデュエットがしたい」とリクエスト。

応えてくれるかドキドキしながら、緊張の面持ちでピアノを弾くと……壁の奥から音色が聴こえてきたではありませんか!

音色が聴こえてきた瞬間、感極まった表情を浮かべたジョルジオさん。その様子を見ているだけで、こちらも泣きそうになってしまいます。

【最愛の妻を亡くした孤独なピアニストだった】

そして出会いから約2週間後……2人はついに初対面!

隣人の正体は、ポーランド出身の78歳男性・エミル(Emil)さん

エミルさんはジョルジオさんに、昨年12月にコロナで最愛の妻を亡くしたことや、妻が楽しみにしていた「毎週末、午後2時に演奏」を続けていることを明かしたうえで、

「ジョルジオさんが、自分を孤独から救い、毎週弾き続けるモチベーションを保ってくれた」

と感謝の気持ちを伝えてくれたそうなんです。

【引っ越し、そして…】

エミルさんは自宅を売りに出しており、その買い手が決まるまでの一時的な住まいとしてジョルジオさんの隣に住んでいたのだそう。

その後ほどなくしてエミルさんの引っ越しが決まります。

しかし壁越しに最後のデュエットを行い、お別れしたあとも、互いの交流は終わることはありませんでした。

ジョルジオさんは『親愛なるエミル(Dear Emil)』という楽曲を作ってしまったほど、2人の絆は強固なものになっていたのです。

そんなある日のこと、「エミルさんが亡くなった」という衝撃的な知らせがジョルジオさんのもとに届きました。

エミルさんは就寝したまま、目覚めることはなかったそう。天国の妻のもとで、ジョルジオさんを見守りつつ、ピアノを弾いているのかもしれません。

【小説よりも美しい出会い】

見ず知らずの「赤の他人」だった、ジョルジオさんとエミルさん。

そんな2人が、音楽の力によって絆を結び、互いの存在によって生きる力や情熱を取り戻していく様は、まるで映画やドラマのようです。

ジョルジオさんはTikTokで、エミルさんへのお別れの言葉と共にピアノ演奏を披露しています。

出会いから別れまでの一部始終も、すべてTikTokに投稿されているので、ぜひご覧になってみてください。

参照元:TikTok
執筆:田端あんじ (c)Pouch