2021年4月24日夜9時からNHK総合でスタートした連続ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』。
元イケメンアナウンサーで、現在は大学の広報として働く真(松坂桃李さん)が、次々起こる不祥事に翻弄される姿を描いたブラックコメディーです。
コメディーなので笑える描写が多々あるものの、その実態は「痛烈な社会風刺」。
いま実際に起きていることを真正面から描いており、ネットでは「刺さる」「えぐい」「さすが渡辺あや脚本」と話題になっているんです。
【第1話あらすじ】
主人公の真は「意味のあることを何ひとつ言わない」ことで危機管理をしている男。
アナウンサー時代は「スポーツって……体を動かすことだと思うんです(キリッ)」などと発言。
この「中身のない発言」こそが武器になるのでは……と見込まれて、かつて在学していた大学の広報に再就職することになります。
ある日のこと、真の大学で「非正規のポスドク・みのり(鈴木杏さん)がスター教授を内部告発」する事件が勃発。
みのりとほんの一時期だけ付き合ったことがある真は、教授軍団から「彼女に接触して告発をやめるよう説得しろ」と言われてしまうのです。
【弱者をナメた描写がきつい】
國村隼さんや岩松了さんなど、そうそうたるバイプレイヤーたちが演じている教授軍団。
彼らをひと言で表すならば「正論なんてどうでもいい、保身のためにやりすごしたいおじさんたち」。
みのりのことも完全にナメていて、真に対し
「キミはイケメンエリート、彼女(みのり)はくすぶってるポスドク。まだキミに未練があるに違いない」
「彼女はストレスがたまってるだろうから、相談に乗ってあげなさい」
などと発言します。
立場もなにもかも捨てて不正に立ち向かうみのりを、「ストレスがたまってる」「相談に乗ってあげたら」と表現し“メンタルケア”と称して告発を潰そうとするというとんでもない侮辱。
また「イケメン出しときゃ黙るだろ」という思いも透けて見えて、ますます気分が悪くなります。
【みのりの言葉に拍手喝采!】
しかしみのりは、そんなおじさんたちと断固戦う決意をしています。
ネットで「よくぞ言った!」と話題になったのは、真がみのりに「仕事をあげる代わりに告発をやめて」と頼んだシーン。
真の言葉に激高したみのりは、
「ほんと権力持ってる人って、見下してる人間に対して想像力がないよね。キミもね、見下すのは勝手だけど見くびらないほうがいいよ。痛い目見るから」
と発言。続けて、
「私は、日本の科学研究に、あるべき姿に戻ってほしいだけ。自分と現場に研究の喜びを取り戻したい。それだけだよ」
と語っており、胸にぐさぐさ刺さってくる……!
真に迫る言葉はツイッターでも話題で、「みのりの言葉を何度もかみしめたい」「書き起こしたい」という声が続々。
また攻めた内容に対して、
「ブラックコメディとは聞いていたけど、ドラマ自体が現状に対する盛大な皮肉でわろた」
「これ、コメディの皮を被ったちょう社会派じゃん……」
「こーいうのさらっと作るNHKさすが。これコメディだって笑い飛ばせない。けっこー問題作。」
といったコメントも見られました。
衝撃の第1話はNHKプラスで1週間見逃し配信中。また4月28日夜11時40分から再放送されるそうなので、ご覧になってみてはいかがでしょうか。
参照元:NHK、Twitter @nhk_dramas、Twitterハッシュタグ #今ここにある危機とぼくの好感度について
執筆:田端あんじ (c)Pouch
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