【最新公開シネマ批評】映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。

今回ピックアップするのは、トム・クルーズ主演の人気シリーズ『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(2023年7月21日公開)です。試写で観ましたが、究極のエンタテインメント、大傑作でサイコーでした!

では、物語からいってみましょう。

【物語】

情報機関IMFエージェント、イーサン・ハント(トム・クルーズさん)に課せられたミッションは、全人類を脅かす新兵器に関係するアイテム「鍵」を悪の組織よりも先に見つけ出すこと

しかし、工作員に追われているイーサン。彼は「鍵」を先に手に入れた人物を追いながら、悪の組織と工作員との闘いを余儀なくされるのです。

【最初から大興奮!】

トム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル』シリーズは本作で7作目。今回もやっぱり面白かったです!

冒頭からロシア潜水艦で起こる沈没事故に度肝を抜かれます。AIを搭載した最新の潜水艦が敵に攻撃され、反撃をしようとしたところ敵がレーダーから消えてしまった! 「なぜ消えたのか…」という謎が本作のプロローグ。この沈没事件とイーサンたちが追いかける新兵器が微妙に繋がっているのです。

新兵器の謎を解明したいイーサン、その兵器を手に入れたい悪の組織、そしてイーサンを執拗に追いかける工作員。

彼らとの命懸けの攻防がアブダビの空港、ローマの街中、ヴェネツィアの観光地にオリエント急行の列車内などと世界中で繰り広げられるのです。

【後半の見せ場はオリエント急行でのアクション!】

「観客に没入感を与える」というのが俳優、トム・クルーズのポリシー。だからどんな危険なシーンでも自身で演じるのですが、バイクに乗ったまま崖から飛んでパラシュートで降りる荒技にはハラハラしっぱなし!

トムはこのシーンのために過酷なトレーニングを合計15カ月間行い、ジャンプの練習を536回も行ったとか。自身の命を賭けたシーンだから完璧を目指すのは当然かもしれませんが、限界に挑戦する姿には尊敬しかありません。

そして、オリエント急行でのアクションは、なんと走る列車の屋根の上! もう怖すぎてめまいが……。ちなみにこのオリエント急行列車は、この映画のために作られた特殊効果用の機関車。映画のために列車も作ってしまうなんて、スゴすぎます!

【イーサンを取り巻く格好いい女性たち】

トムの体を張ったアクションと同じくらい心を掴まれたのがイーサンを取り巻く女性たちの活躍です。

新兵器アイテム強奪戦に参戦するスリのグレース(ヘイリー・アトウェルさん)、前作から続投のイルザ(レベッカ・ファーガソンさん)とホワイト・ウイドウ(ヴァネッサ・カービーさん)、イーサンを執拗に追いかける謎の暗殺者パリス(ポム・クレメンティエフさん)、みんなかっこよかった〜!

本作ではグレースがイーサンをかなり振り回し、パリスは肉弾戦、カーチェイスなどさまざまなアクションでイーサンを追い詰めていきます。実力派の女優たちが大暴れする姿は爽快でかっこよくてスカッとします!

何より『ミッション:インポッシブル』シリーズに出てくる女性キャラクターは決してお色気担当じゃないところがいいんですよね。イーサンと常に対等でガッツ溢れるバトルを見せてくれるところがいい!

トム・クルーズの命懸けのパフォーマンス、そしてを彼女たちにも大注目して『ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE』を堪能してください!

執筆:斎藤 香(c)Pouch
Photo:©2023 PARAMOUNT PICTURES.

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
(2023年7月21日全国公開!)
原題:Mission: Impossible – DEAD RECKONING PART ONE
監督・脚本:クリストファー・マッカリー
配給:東和ピクチャーズ
出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、ヘンリー・ツェニー