10月27日は読書の日。というわけで、年間100冊以上の本を読む読書好きライターが2回にわたって本の魅力をお届けします♪
突然ですが……秋ってなんだかセンチメンタルになって、無性にミステリー小説を読みたい気分に駆られませんか?
今回は「秋の夜長に読みたくなるミステリー小説」5選をご紹介! 皆さんの本選びの参考になれば幸いです。
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【おすすめミステリー小説5作品】
古今東西、人気ジャンルのミステリー。数ある作品の中でも、今回は比較的最近出版された中から、ミステリー初心者の方にも手に取りやすい本を中心にセレクトしてみました。
それではさっそくご紹介します!
・『君のクイズ』(小川哲)
ミステリーといえば、殺人事件の謎を解くのがお約束的なところがありますが、この作品は「人が死なないミステリー」。
生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦で、問題が1文字も読まれないうちに回答をして正解をたたき出した本庄絆。なぜそんな不可能犯罪が成立したのかーー!? 対戦相手として戦った三島玲央は、本庄と同じプロクイズプレイヤーとして「ゼロ文字押し」の真相を突き止めようとします。
著者・小川哲さんは東京大学大学院の博士課程まで進んだ気鋭の小説家。「競技クイズ」という異色のジャンルを舞台に繰り広げられる天才たちの思考と熱き戦いは、本を開いたら最後、一気読み必至です!
・『黒牢城』(米澤穂信)
歴史小説好き、中でも戦国時代ファンにおすすめしたいのがこちら。
なぜならこの作品、「織田信長に叛旗を翻した武将・荒木村重が立てこもった有岡城に、いっとき軍師・黒田官兵衛が幽閉されていた」という史実に基づいているから!
織田軍に包囲された密室状態の有岡城で不可解な殺人事件が発生。村重は知将として知られる官兵衛に謎解きを求め、官兵衛が地下牢にいるまま安楽椅子探偵として事件を推理し解決するというストーリーになっているんですっ。
もちろん創作ではあるけれど、もしかしてもしかしたら黒田官兵衛が名探偵として活躍したこんな世界線もあったかもしれない……!!! そんなロマンをかき立てられる「史実×ミステリ」の傑作です。
・『死刑にいたる病』(櫛木理宇)
以前Pouchで紹介した阿部サダヲさんがシリアルキラーを演じて話題となった映画の原作がこちら。
鬱屈した日々を送る大学生・筧井雅也に届いたのは、連続殺人鬼として世の中を震撼させた榛村大和からの手紙。冤罪証明を依頼され真相を解明しようとするうちに、雅也はどんどん榛村の魅力にとり憑かれていくように……。
ミステリーであるとともにサイコホラーともいえる作品。『告白』(湊かなえ)や『ユリゴコロ』(沼田まほかる)、『火の粉』(雫井脩介)のようなイヤミス(読み終わったあとにイヤな気持ちになるミステリー)が好きな人にはおすすめ。ただし残虐な表現も多いので、グロ耐性がない人は要注意です……!
・『変な家』(雨穴)
作者「雨穴」氏がYouTubeに投稿し、1200万回以上再生されたバズ動画と連動して発表された「不動産ミステリー」。
知人が購入を検討しているという都内の中古一軒家。雨穴が知り合いの設計士にその間取り図を見せたところ、謎の空間や窓のない子ども部屋など「奇妙な違和感」を感じる箇所が発見されます。雨穴はその謎をたどることにーー。
昔からメディアミックスはよくある手法ですが、今後はこうしたSNSとの融合&展開も増えそうです。先日、2024年3月に間宮祥太朗さん主演で映画化が決定したとのニュースも届き、まだまだ話題が続きそうな作品です。
・『鵼の碑(ぬえのいしぶみ)』(京極夏彦)
Pouchでも先日紹介した百鬼夜行シリーズ17年ぶりの新作は、1954年の栃木県日光市が舞台。妖怪に見立てられた奇怪な事件を「京極堂」こと中禅寺秋彦が「憑き物落とし」として解決するというのがおおまかな流れです。
本作でもおなじみの個性豊かなキャラクターたちが変わらず登場します。読むうちに皆さんの “推し” もきっと見つかるはず!
……といってもこのシリーズはその分厚さから「レンガ本」「サイコロ本」と呼ばれるほど。
そこで入門編として、本編では脇役となる探偵・榎木津礼二郎が活躍する「百器徒然袋」シリーズや、京極堂の妹で編集者の中禅寺敦子が主人公として謎を解く「今昔百鬼拾遺」シリーズから読むのもおすすめ。百鬼夜行シリーズよりは短いので、気軽にその世界観を体験できますよ!
【秋の夜長は本の世界へ…!】
以上、「秋の夜長に読みたくなるミステリー小説」5選をご紹介しましたが、皆さんの興味がそそられた小説はあったでしょうか?
本の魅力は自分の自由に想像を繰り広げながら読めること。活字からしばらく遠ざかっていたという皆さんも、この機会に本の世界へと旅に出かけてみてください♪
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