あの『ミッドサマー』に続く救いなきフォークホラーとして、かねてから話題になっている作品があります。

タイトルは『FRÉWAKA/フレワカ』。新進気鋭の女性監督アシュリン・クラークさんがが手がけた、アイルランド語では初のホラー映画です。

2026年2月6日の劇場公開に先がけて、ひと足お先に試写に参加させていただいたのですが……もうなにもかもが不穏すぎて。しかも、これっぽっちも救いがないといいますか、見事なまでに容赦がないのよ(涙)。

【どんなお話?】

うねうねと絡み合う根っこのように、決して断ち切れない “女性たちの痛み” を描いている『FRÉWAKA/フレワカ』。まずはストーリーから。

■あらすじ

婚礼の夜に忽然と姿を消した花嫁。そして、それから50年後、アイルランドの人里離れた村に看護師のシューがやってきます。

シューは、この村に暮らす老婆を泊まり込みで介護する予定でした。けれど……老婆の住む家はなにかが変。それに老婆自身も落ち着きがなく、背中には痛々しい傷まであったのです。ひとりで暮らしているはずなのに、この傷はいったい誰がつけたのか。

おまけに、この村もなにかがおかしい───。

不安と言い知れない恐怖に飲み込まれそうになりながらも、やがてシューは真実へとたどり着くことに。

【ココが面白い】

<なにもかもが不穏>

はじめこそ、シューに心を閉ざしていた老婆でしたが、不思議と気が合い寄り添って暮らすようになります。

そのいっぽう、老婆はたびたびシューに対して「ヤツらに気をつけなさい」と警告するんですよ。いや、あの、「ヤツら」って誰ですか。まさかこの部屋に、あるいはこの村に、なにかが潜んでいるってこと……?

どこからともなく聞こえてくる歌声、蹄鉄に囲まれた赤い扉、藁の被り物をした人々と謎の祝祭。ああ、なにもかもが不気味。

おまけに、村に暮らす村民たちさえもどことなく不穏な空気をまとっており、怖いうえに不快なんです。もしも私がシューだったら速攻で引き返しているレベル。いてもたってもいられず、思わず逃げ出したくなるような、ソワソワとした胸さわぎが永遠に続きます。

<次第に暴かれてゆく禁断のひみつ>

一見すると、強い女性に見えるシューですが、ひそかに厄介なトラウマを抱えていました。子どものころから親子関係に問題があった母が謎の自殺を遂げていたのです。

実はこのトラウマこそが、本作の真相へとたどり着くカギ。老婆、シュー、そして自殺した母親。彼女たちに絡みつく恐怖の正体とはなんなのか。

<1ミリも救いがないラスト>

私はホラーを愛しているので、当然のことながら(?)救いのない話が好きです。たとえば、救いがないことでおなじみの映画『ミスト』は何度も繰り返して鑑賞するほど大好き。

本作も、ハッキリ言って全然救いがありません。「救いなきホラー」というキャッチコピーにまったくウソがないですし、救いのなさに容赦がない。

ほんの1ミリでも希望のようなものが見えれば、安心できるのにね。でもそれじゃあ、ホラーとしては物足りないわけで。そういった意味での「厳しさ」を求めている人には刺さるのではないかと思います……!!

【さあゾクゾクしよう】

閉ざされた村に隠されたおぞましいひみつ───。

ホラー好きならば、もはやこの字面だけでごはん3杯くらいイケちゃうのではないでしょうか。

今冬は『FRÉWAKA/フレワカ』で思いっきりゾクゾクしちゃいましょう。ただし、不穏な空気に飲みこまれすぎないよう、くれぐれもご注意くださいね。

執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:© Fréwaka Films & Screen Market Research T/A Wildcard 2024. All rights reserved.

■『FRÉWAKA/フレワカ
監督・脚本:アシュリン・クラーク
キャスト:クレア・モネリー、ブリッド・ニー・ニーチテイン(『イニシェリン島の精霊』)
2024年/アイルランド/103分/カラー/スコープ/5.1ch/日本語字幕:高橋 彩
配給:ショウゲート
2026年2月6日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開