「今日子」担当の記事
朝の行動をタスク化した「タスクリスト」の話に続いて、連載 「朝4時半に起きてみたら、生きるのがラクになってきた」第3回は「早寝」の話です。
6時間くらい寝たいので、わたしの就寝時間は、22時半ごろ。
そんなに早く眠れるわけないじゃん!
もともと超夜型人間だったわたしも、もちろんそう思っていました。
でも朝の早起きと同じくらい、夜の早寝にはたくさんのメリットがあったんです……!
31歳、OL、副業ライターのわたしは、朝4時半に起きる生活を1年続けて、生きるのがラクになりました。そんな「4時半起き生活」の魅力やコツを全5回でお伝えしていく本連載。
朝4時半に起きています、と言うと必ずと言っていいほど聞かれるのが……
「朝4時半から何をしてるの?」ということ。
わたしは朝起きてからやることを「タスク」として決めてしまっています。
2回目は、今やわたしの朝の時間に欠かせない「タスクリスト」のお話です。
31歳、OL、副業ライター。
ここ1年ほど、夜22時過ぎに寝て、朝4時半ごろに起きる生活を続けています。
仕事が始まるまでにたっぷり時間があるから、家事や副業の執筆はもちろん、散歩やヨガ、いつかやりたいと思っていた資格の勉強などなど。
やりたいことはほとんど朝にやっています。
しかも「4時半起き生活」をはじめてから、体だけでなく心もなんだか調子が良いんです……!
変わらない平凡な日常を愛していた。
いつもと同じ満員電車に揺られ、毎日同じ景色を見る。淡々と仕事を終わらせ、朝起きたらまた1日がはじまる。「何もない」のは何よりも良いことのはずで、少しだけ自分に刺激を与えたサウナの存在も、このところ「いつものサウナ」ができたことで、すっかり日常になじんでいた。
なのに、どうしてだろう。
年末特有のうわついた空気、そして定時を少し過ぎた金曜日のにぎやかなオフィスで、私の時間だけがここに留まって澱んでしまっているような、漠然とした違和感。
「はい……はい……では、20時半に……」
電話を切って給湯室を出ると、通りがかりに電話の声が聞こえたのか、なにやらニヤケ顔の同僚がこちらを見ていた。デートですか、と尋ねる同僚に、違いますよ、とそっけなく答える。
事実、違うのだから仕方がない。給料日後の、ひそかな楽しみ。買い物も、少し贅沢な食事も良いけれど、今日は違う。
行きつけのサウナでアカスリを予約しているのだ。
時間を気にしながら、大急ぎで仕事を片付ける。
まるで懺悔室だな。
薄暗いサウナ室。一段目に膝をかかえて座り、ぼんやりとそんなことを考えていた。誰かが水を撒いたのか、濡れた床が少しの光に反射して光る。
数分おきにサウナストーンに自動で水がかかると、湿度を含んで重くなった熱が時間差で頭上から襲い掛かってくる。重たい熱は、決して私を包むことも、癒すこともなく、私の感覚と混ざりあわないまま、私を責めるように熱くする。
でも今日は、それくらいの厳しさが私にはちょうどよかった。
苦手なもの。
予期せぬ遭遇、予定の変更、急な誘い。
気にしすぎだ、と、よく言われる。確かにそうかもしれない。常に万全に準備をしていたい性格なのだ。でも、気を抜いたときに限って、急に人に会う予定が入ってしまう。人生は、うまくいかない。
「え、そういう曲、聴くんですね」
言葉のうしろに、「(笑)」が透けて見えたような気がした。
帰り際、エレベーターホールでのことだった。
遭遇した同僚に、何聴いてるんですか、と無邪気にたずねられ、正直に答えるべきではなかったと少しだけ後悔した。
そうなんですよ、ちょっと古いですよねえ、と自虐するように笑う。
みぞおちのあたりが、きゅっと絞められるような感覚が苦しい。
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「飲みにいこうよ」のお誘いがいつもよりうれしくて、その日が楽しみだったのには理由がある。
用意するのはお財布、携帯、に加えて、いつものお風呂セット。目的地は、食事もできるスーパー銭湯だ。
暦の上ではもうすっかり秋だというのに、夏のような寝苦しさで目が覚めてしまった。東向きの寝室の窓には朝日がよく入る。
冷え込んだ夜のうちに出した羽毛布団は無意識に蹴飛ばされて、ベッドの下でむなしく丸まっていた。
「サウナ、いいっすよ」
そう語る、ひげ面で派手なTシャツのその上司が苦手だった。好きな服を着て、明るく充実した毎日を送り、趣味を語る姿がいつもまぶしかった。私みたいな凡人を、つまらない人間だと笑っているに違いない。
自分の無難な服装も、家に帰って寝るだけの毎日も、嫌いじゃなかった。ただ少し、慣れただけ。