お祭りの縁日は、何歳になってもどきどきしますよね。大人の女性になろうとする少女を描いた『たけくらべ』(樋口一葉)のヒロイン・美登利は、お化粧に時間をかけて、お母さんに髪の毛まで結ってもらったのに、けんかに割り込んで、おでこにぞうりを投げつけられてしまいました。

その縁日なのですが、近年、形を変えて、ちょっとしたブームになっています。神社仏閣の境内で開催されるマーケットやイベントが話題を呼び、みなさんも「寺社マルシェ」って言葉を聞いたことがありませんか?

この「寺社マルシェ」は、都内の寺や神社の境内に、クリエイターが作品を持ち寄って販売するというものですが、もともとは、上方で始まりました。1986年の京都「知恩寺の手づくり市」が発祥といわれています。手づくり品のみ出展可能というコンセプトが人気を呼んで、今では、1万人以上の人出でにぎわっているとか。

関東でも、さまざまな「手づくり市」が開催されています。いつくかをご紹介してみたいと思います。

【渋谷てづくり/青空個展・in・代々木八幡宮】

東京都渋谷区にある代々木八幡宮で毎月、開催されています。記者が4月に訪れた時は、カラフルなキャンドル、アクセサリー、消しゴムはんこなどが並んでいました。

青空個展実行委員会の高村有美(たかむら・ともみ)さんにお話しを伺ったところ、「青空個展では、人と人との距離が近くて、コミュニケーションの場所であることが魅力のひとつ。パワースポットで有名な“代々木八幡宮”は森の中にいるみたいに木々がたくさんあり、広い神社内にさまざまな作家さんが出展していて、ぐるりと回りながら、一日いるだけで癒されると思います」とのこと。

確かに、ここにいるだけで活力がみなぎってくるような気がします。青空個展のサイトによると、6月の「てづくり市/青空個展」開催予定は、4日の「諏方神社」(東京都荒川区、JR山手線・京浜東北線・東京メトロ「西日暮里駅」そば)はじめ、たくさんの情報が掲載されています。

【あかぎマルシュ】

東京都新宿区の赤城神社で今年4月から始まった手づくり市です。

訪れた5月21日は、手づくりジャム、手織りのブック・カバー、天然素材のキャンドルなど、量販店には並びにくい品が人気を集め、季節のスイーツが楽しめる「お抹茶席」もにぎわっていました。

あかぎマルシェ事務局代表の棚元佐知子(たなもと・さちこ)さんは、年1回開催の手づくり市に出展していたときに、周りの出展者たちと、「毎月やりたいね」と話していたそうです。約1年間の準備期間をへて始まったあかぎマルシェのサイトにも、6月、7月、8月の開催予定が記載されています!

ご紹介したほかにも「寺社マルシェ」は各地でたくさん開催されています。みなさんも、お近くで開催されていないか、調べてみてはいかがでしょうか?

(ライター=竹内みちまろ)

ライターブログ(http://bit.ly/k9GBDt