【映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。】
今回ピックアップするのは4月26日公開の3D映画『アイアンマン3』。人気シリーズのパート3です。
アイアンマンことトニー・スターク役が当たり役となったロバート・ダウニー・Jr。ヒーローとはいえ、バットマンのような影はなく、スーパーマンのような優等生でもなく、自己中心的な俺様キャラクターはロバートの個性にピッタリとマッチ。しかし、今回は最後のアイアンマンという噂も? こんなに人気あるのに?さてその真相は?
キャプテン・アメリカ、ハルク、ソーらが集結したアベンジャーズで、人類の危機を回避したアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)だったけれど、その戦いは、トニーの心に衝撃を与えていました。彼は、より強力なアイアンマン・スーツの開発をしていたのですが、ある日、トニーは史上最強のテロリスト“マンダリン”の襲撃受けてしまいます。闘うことから離れていたトニーは、大切な人達を守るという想いを胸に立ち上がりますが、敵は最強の強さを誇り、大切なパートナーのペッパー(グウィネス・パルトロー)にまで危機が訪れてしまうのです……。
今回の『アイアンマン3』は、製作陣にとってかなりハードルが高かったのではないでしょうか。なぜならアイアンマンにとって、『アイアンマン2』のあとの『アベンジャーズ』が世界中で大ヒットし、評論家筋も絶賛の嵐、アメコミファンだけでなく、映画ファンを熱狂させた傑作だったからです。この映画も失敗するわけにはいかない。これまでで最高の『アイアンマン』にしなくては! ところが『アイアンマン』の前二作を監督したジョン・ファヴロー監督は降板。別の新作に取り組んでいるファヴロー監督は、製作総指揮& キャストとしてのみ本作に参加することになったのです。ファヴロー監督あっての『アイアンマン』だったのに!
大ピンチと思いきや、新たに加わったシェーン・ブラック監督は、ロバート・ダウニー・Jrと組んだことがあり旧知の仲でした。おまけにこれまでの『アイアンマン』シリーズで、ロバートは数々の助言をブラック監督から受けていたそうです。なるほど、ブラック監督が『アイアンマン3』を任されたのは、当然の流れだったのですね。
そのブラック監督曰く、ロバートとアイアンマンの関係について「トニー・スタークはロバート・ダウニー・Jrそのもの」と言っています。やんちゃで子どもみたいなところがあるというのが共通点だそうで……。ファンは何となく気づいていましたが「やっぱり」と言う感じですね。
そんな天才肌で俺様なアイアンマンことトニー・スタークですが、今回はこれまで以上に苦悩するトニーが見られます。俺様な性格はそのままながら、何もかもがうまくいかない、敵の後手に回ることもあり、ハラハラしっぱなしです。なんとパートナーであるペッパーまでとんでもないことに巻き込まれていきますからね。ペッパーのあの姿を見てしまったら、後半、これからのアイアンマンはどうなっちゃうのだろう……「さらばアイアンマン」というコピーの意味は、これが関係しているのでは? 胸をドキドキさせながら、いろいろ考えてしまいましたよ。それくらいの驚きが待っています!
『アベンジャーズ』が成功し、『アイアンマン3』へのプレッシャーはありつつも、そのプレッシャーをバネにするところが、やはり人気シリーズの強さ。ロバートはもちろん、ガイ・ピアース、ドン・チードル、グウィネス・パルトローらも、『アイアンマン3』を盛り上げるべく、血管キレそうなくらいの熱血芝居を見せています。見ればわかりますよ、後半にかけて芝居のボルテージがガンガン上がり、同時にアクションも激しくなっていきますから。
GW、デートムービーにもよし、友達同士でワイワイ見に行くのもよし、まさにジェットコースター的なノリの良さが魅力的な本作。3D映画のわりに、あまり3D映像が効果を発揮できてないという弱点がありつつも、スカっとできるエンタメの快作であることは間違いありません!
(映画ライター=斎藤香)
『アイアンマン3』
2013年4月26日公開
監督:シェーン・ブラック
出演:ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロー、ドン・チードル、ガイ・ピアース、レベッカ・ホール、ステファニー・ショスタク、ジェームズ・バッジ・デール、ジョン・ファヴロー、ベン・キングズレー
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