【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。

今回ピックアップするのは、話題作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年6月28日公開)です。なんと日本が世界最速の公開だそうですよ!

今回の『スパイダーマン』の新作は、あの大ヒット作『アベンジャーズ/エンドゲーム』その後の世界。ゆえに、最初から『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレをしているという……。なんと大胆な! では物語から。(『アベンジャーズ/エンドゲーム』を未見の方は要注意!)

【物語】

アベンジャーズたちの壮絶な闘いのあと変わってしまった世界。ピーター・パーカー(トム・ホランド)は、今でもアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)の死が辛く、同時にスパイダーマンがアイアンマンの後継者と言われることにもプレッシャーがハンパない。そんな彼の癒しはひとりの学生としての生活。仲間とのヨーロッパ旅行が決まり、彼は片思いしているMJ(ゼンデイヤ)に告白すると決心! しかし、そのヨーロッパで新たな敵エレメンタルズがクラスメイトも巻き込んで大暴れするのです!

【最高!面白すぎる!どんでん返しの連続にうなる135分!】

結論から言いますと、最高でした! 正直『アベンジャーズ/エンドゲーム』は個人的にはいまひとつだったのですが、本作はアベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を彷彿させる面白さです!

アイアンマンから「あとは任せた!」とヒーローとしての総てを託されたスパイダーマン。ソーやキャプテン・マーベルに助けを求めたいけど「留守」だったりして「え~マジかよ!」状態です。

そんな中、ボスのニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)は、異世界から来た新たなヒーローのミステリオ(ジェイク・ギレンホール)とスパイダーマンとともに、地球を脅かすエレメンタルズと闘おうとしています。

そのミステリオは甲冑のようなボディと球体の頭を持ったヒーローで、見た目はあまりかっこよくないんですけど、とにかく強い。敵のモンスターを相手に圧倒的な強さを見せるのです。

【ピーターの恋とスパイダーマンの使命】

『スパイダーマン』の魅力は100%ヒーロー然としていないところで、本作でもピーターの学生生活がコミカルに描かれています。片思いしているMJへの告白も決心し、プレゼントを準備して、告白プランも立てちゃったりして、そんなピーターがめちゃくちゃ可愛いです。

ところがそのヨーロッパ旅行で新たな敵が大暴れしたせいで、ピーターはスパイダーマンとして闘いに身を投じることに。身バレが怖いピーターはスパイダーマンになったり、普通の学生に戻ったり、もうドタバタの大忙しで、そんな描写も楽しい!

【後半から畳みかける「え〜!」の連続】

本作の鍵となるのはピーターがトニー・スタークから託された“ヒーローとして使命”スパイダーマンの力をより強化する“ある物”です。実はこれをめぐり、後半はすごい攻防が繰り広げられ、事態は最悪の展開へと突入していくのです。ある真実が明かされたときの「えええ~!」の衝撃度に加え、それ以降に畳みかけてくるスパイダーマン、絶体絶命のピンチの連続にはもうハラハラしっぱなし!

でも、いちばんビックリしたのは最後のシーンで「やめて~」と叫びたくなり、すぐに続きが見たくなりました。ああ、続編は大変なことになりそう!

本作だけを見ても十分楽しめますが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』を見てから『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』を見ると、より楽しめると思います。

執筆:斎藤 香(c)Pouch

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
(2019年6月28日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー)
監督:ジョン・ワッツ
出演:トム・ホランド、サミュエル・L・ジャクソン、ゼンデイヤ、コビー・スマルダーズ、
ジョン・ファヴロー、J・Bスムーヴ、ジェイコブ・バタロン、マーティン・スター、マリサ・トメイ、ジェイク・ギレンホール
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©2019 CTMG.  © & ™ 2019 MARVEL.

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