【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレなしの本音レビューをします。

2022年新作映画、最初にピックアップするのは人気シリーズの最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022年1月7日公開)です。アメリカではすでに公開され、大絶賛!大ヒット!というわけで超期待して試写を鑑賞させていただきましたが、予想を大きく上回る衝撃の展開でした! では物語からいってみましょう。

【物語】

前作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年公開)』のミステリオ(ジェイク・ギレンホール)により、「スパイダーマンの正体は、ピーター・パーカーだ!」とバレてしまうスパイダーマン(トム・ホランド)。

家にはマスコミが集まり、やんやの大騒ぎ。家族や恋人、親友も巻き込んでしまったため、ピーターは、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)に助けを求めますが、そのことがきっかけで、大変な事態を巻き起こしてしまうのです!

【序盤から大盛り上がりで最後まで突っ走る!】

今作の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、『スパイダーマン:ホームカミング(2017年公開)』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年公開)』に続く、『スパイダーマン』シリーズの第3弾。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属するドクター・ストレンジが登場するのも話題です。

Spider-Man: No Way Home

結論から言いますと、めちゃくちゃ面白い! ピーターがスパイダーマンであることを世の中に知られてしまったため、人々の記憶から「スパイダーマンはピーター・パーカー」という情報を削除しようとドクター・ストレイジにお願い。

ところが、ドクター・ストレイジの呪文によって、別のユニバースにいたスパイダーマンの過去の強敵が次々登場! 1対1の闘いでも大変だったのに、みんな出てきちゃってどうすんのよ!と、もう序盤からハラハラですよ。

【最後は涙の大感動…ありがとうスパイダーマン!】

後半は怒涛の展開で、想像の遥か上の上を突っ走ります。「こんなに素晴らしい驚きってあり?」みたいな。それはCGが凄いとかそういうテクニックの問題ではなく、これまでの集大成にふさわしい演出がなされており、ファンサービスがハンパないんです。

ネタバレ厳禁なので詳しくはお伝えできないですが、全作品のスパイダーマンへの愛と感謝と尊敬が溢れていて、もうこれを書きながらも目がウルウルしてしまいます。

これまで制作されてきたスパイダーマン映画の中でもトップクラスという声も多いのですが、観れば納得できます! ピーターがさまざまなことを犠牲にしてもスパイダーマンとしての使命を貫きとおす姿にも感服!

【『スパイダーマン』シリーズを復習したほうがより楽しめる】

とりあえず『スパイダーマン』シリーズを見ておいた方がいいでしょう。トム・ホランド主演の、『スパイダーマン:ホームカミング』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は必見ですね。本作は前作の続きから始まっているので。

で、余裕があったらサム・ライミ監督、トビー・マクガイア主演による『スパイダーマン』シリーズ、マーク・ウェブ監督、アンドリュー・ガーフィールド主演による『アメイジング・スパイダーマン』シリーズも見ておくと、より楽しめると思います。

この手のエンタテインメント大作は、賞レースだと特殊効果など技術賞がメインになりがちなのですが、本作は作品賞候補もありうる!という噂も。2022年の最初の映画が『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』は最高にオススメ! 1年のスタートを元気よく切れますよ! ぜひぜひ感染対策を万全にしてスクリーンでお楽しみください。

執筆:斎藤香(c)Pouch

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
(2022年1月7日より、TOHOシネマズほか全国ロードショー)
・監督:ジョン・ワッツ
・脚本:クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ
・製作:ケヴィン・ファイギ、エイミー・パスカル
・出演:トム・ホランド、ゼンデイヤ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジョン・ファヴロー、ジェイコブ・バタロン、マリサ・トメイ、アルフレッド・モリーナ
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