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1年前の今日クリスマス・イヴに会社へ行くと、会社に住み着く女ハトコがひとりでクリスマスパーティをしていたのを悪夢のように思い出されます。あれはいったいなんだったんだろうか。

あれから1年が経ち、まさか……と思いながらオフィスのドアを開けると、なかには誰もいない。ホッ。そういや最近姿を見てないけれど元気だろうか。どこへ行ってもどうか元気でいておくれ、そう願っていると……。

な、なんか臭ッ!! くっさーッ!!! なんだ異臭騒ぎか!! 事件か!!?

頭が真っ白になりながらも激臭のする方へ目をやると、普段なかったはずの新聞の塊が机の下に置いてあるじゃないの

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やばい……これはもしやの「不審物」じゃないのかしら。動揺しつつどうしようかと見ていたら、ゴソッ……と不審物がかすかに動き、なかから何かが現れ……!!? ま、ままま、まさか、人? あんたはまさかまさかの……

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ハトコだったーっ!!! ひいいぃ。ためしに記者(私)が食べようと思って買ってきたバナナをあげると、ムックリと起き上がり簡単に食いついてきたよ。っていうか臭え! 臭いんだってばハトコよ!! 引っ込んで、臭いから!
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聞けば「冬は寒いからお風呂に入らない」という。しかも昨年からずっとここに住んでいたというのだ。なんで誰も気づかなかったんだ。そういえば、たまに腐ったような臭いがして悪臭騒ぎでスタッフ全員を混乱に陥らせたことがあったけど原因はアンタだったんだね。頼むからお風呂には入ってちょうだい!

さらに奥の机から視線を感じ、近づいてみると……。トナカイの角が!!! ひ、ひとり増えてるうぅーっ!!!
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キミは誰? トナカイは私の質問には答えず、しきりにゼクシィを見つめながらうなだれている。え、あの……(こわい!!)
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するとハトコが「メルちゃんのためにクリスマスパーティ開いてあげるわ♪」と言って巣穴からムックリと這い出てきたよ。その後ろにはトナカイもつづいて出てきた。同時に異臭がどんどん広がっていく。イッツア異臭ワールド! 鼻が曲がるってこういうことなのね……お願いだから、これ以上近づかないでちょうだい(鼻をつまみながら)。
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コンビニ袋のなかからワンカップ酒やイカゲソなんかを取り出して、みかん箱の上に置くハトコ。ちゃんと、おもてなししてくれようとしているのは嬉しいなぁ。まったくクリスマスらしからぬラインナップだけれど!

……あっ!! あの、トナカイちゃん、もしかして最近Pouchのモデルになったイクちゃんではありませんか? こんな臭いところで何してんのー!!
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「メルちゃんどうぞ座ってー!」と、怯える記者(私)を招き入れようとする二人。なんだか逃げられない雰囲気を察知した私は、用意された新聞の座布団に大人しく座ることに。
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いっちょまえにクラッカーなんかを鳴らして、ハトコもイクちゃんも気分上々。相変わらず臭いけど、やっぱりそこは女子なのね。お風呂入りなさいよ!
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みかん箱の上をみると、なんか色々と凝っていてスゴイ。滋養強壮ドリンクのキャップは、なんと取っ手付きのろうそく立てに。“仏壇用ろうそく” もどこかメルヘンに見えるわね。その周囲には、ヘパリーゼがゴロリと転がっていて……なんだか生贄の儀式みたいになっているわ……。
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おかげで食べ物も仏用のお供え物感が否めないけれど、まあ、これはこれでご愛嬌ということで。
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ヘパリーゼをグビグビとイッキ飲みするハトコ。いつもながら、彼女の一気飲み形相は迫力満点です。
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「メルちゃんカンパーイ!! 来年もよろしくー!!」 いやいや、よろしくされたくありません……。
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ーーあのう、ハトコちゃん、昨年も聞いた気がするけれどなんでオフィスに住んでるの? 正月どうしてるの?
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「あのね、メルちゃん、大人には大人の事情ってもんがあるんだから聞かないでちょうだい」

おいおい、なんで毎年そんなに偉そうなんだい! って、なんか昨年よりも老けた感じがするのは気のせい?

ーーそうだ、イクちゃんはおうちに帰るんだよね?
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「うーん、わかんないテヘペロ♪」 他人の芸風をパクらないの!!

そうこうしている間にも、猛然と食べ物を口に運ぶハトコ。イカゲソはろうそくの火であぶるし、ケーキは箸で食べるしで、もうちっとも乙女じゃない。これが会社に住まう女「飲んべえ女子スーパー」の生き様である! 世の乙女たちよ、とくと見よ!
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最後は肉を奪い合う二人。なんて野性味あふれるオンナなんだろう……ゴクリ。
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飲み食いがひと通り終わるとそれぞれの巣穴へ戻っていきました。やっぱり帰らないのね。闇のなかからグオースピスピ……グオースピスピ……とイビキだけがこだまするオフィスは、もはや魔界。

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そのあとすぐに私が音を立てないように退散したのは言うまでもありません。来年のクリスマスは会わなくてすみますように。

(写真・文=メル凛子/ 取材協力=ハトコ、イクちゃん)

▼独り身でもこんなに楽しくクリスマスが過ごせてるわよー!

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▼肉声もきけます