どーでもいい自慢話をはじめる上司に、虚ろな目で「スゴーイ!」とあいづちを打つ。悪いだなんて思ってないのに、「すみません」って言うのもお手のもの。ウソ、大げさ、ごまかし……ワタクシたちは、虚像の世界で生きています。
それでもなんとかやっている。いちいち「それはウソだろう!」って追及したり怒ったりしない。みんなの平和が第一だもん。こんな辛抱強い性質を持っているワタクシたち日本人が、絶対に妥協しないジャンルがあるんです。
……それは、食。
【あの食品偽装問題】
食品偽装問題は記憶に新しい。発端は「エビ」でした。日本は世界一のエビ消費国なんです。記者は、この問題で初めて、「バナメイエビ」というエビの存在を知りました。高級ホテルのレストランが、芝エビだと偽って、バナメイエビを出していたというのです。
【本物とニセ物を食べ比べ!!】
それはケシカラン! ケシカランけど……「バナメイエビでも車エビでもブラックタイガーでもなくて、芝エビを食べるぞ!」というシチュエーションに遭遇したことがないから、どれぐらいケシカランのかよくわからない!
そこで発見したのが食品通販のOisixさんが発売している「芝エビ&バナメイ 食べ比べセット」。何がケシカランのか体験してみることにしました。
【エビが届いた!】
届いたのは下処理済みの剥き身の冷凍。どちらも70gずつ入っています。Oisixさんによる説明によると、両者の違いはこちら。
■ 芝エビ
繊細な身質で、口当たりがよく濃厚な甘みが特徴。かき揚げなどにぴったり。
見た目:身が細く、淡い斑点がある
食感:繊細な身質で、口当たりがよい
甘み:ねっとりしていて、甘みが強い
■ バナメイエビ
芝エビに比べて淡白な味わい、食感がプリッとしているので炒め物などにぴったり。
見た目:芝エビよりも少しだけ実が太く、斑点が黒っぽい
食感:プリッとしている
甘み:芝エビに比べてやや淡白
【どうして値段が違うの?】
芝エビのほうが高価なのは、多くが天然モノで収穫量が少ないからだそう。バナメイエビは丈夫で成長が早く、養殖しやすい。ただ、2013年はタイなどの養殖場で病気が発生したこともあり、バナメイエビの収穫量が減っているので価格が上がってきています。
【剥き身の状態で見てみよう】
パッと見は、バナメイエビの方が若干赤身がかっているくらい。それほど違いはないかなあ。芝エビのほうが身が細いとあるけど、記者のところに届いたものは、バナメイエビの方が細身かも。
【茹で上がりのルックスは芝エビが勝利】
まずは塩でさっと茹でて食べ比べてみてほしい、とのこと……うわあー! 茹で上がると、その差は歴然!
生のときはそれほど感じなかったけれど、バナメイエビは模様がくっきり赤くて身が真っ白。対する芝エビは、模様が淡いオレンジ色で身に透明感が残っています。「僕、プリッとしてるよ!」って主張しているかのよう。茹で上がりルックスは、芝エビに軍配が上りました。湯上り美人。
【塩茹での結果! 歯ごたえならバナメイエビ、甘みなら芝エビ】
続いて試食。バナメイエビはプツンと張りのある歯応え。芝エビは、口の中でエビの身がほどけて、甘いエビエキスがピュルっと飛び出してくる感じ。「エビ食べてる感」はどちらも遜色ありませんが、印象はかなり違います。
【“バナメイエビ” のオススメ料理→ エビチリ】
Oisixさんおすすめのバナメイエビの食べ方ナンバーワンは「エビチリ」。たしかに、濃いめの味付けにトロみの絡んだ、中華系の炒め物なんかは、やや淡白な味わいのパナメイエビのほうが合いそう。色もはっきり赤くてキレイだから、チンゲン菜の炒め物にしても映えそう。
【“芝エビ” のオススメ料理→ かき揚げ】
続いて芝エビのおすすめはというと、なんと、かき揚げ。くっ……、一人暮らしの台所でかき揚げを作るのはハードルが高いぜ。一瞬心が折れかけます。他のメニューで代用しようかという怠け心が出てきましたが、ここで妥協してはPouch読者の皆様に申し訳が立たぬ。ということで作りましたよ、かき揚げ。
エビを主役にしたいので、タマネギとニンジンでシンプルに。本音をいうと、かき揚げにできる食材がこのふたつしかなかった。
【結果】
エビの食感を満喫したいならバナメイエビ、甘みを満喫したいなら芝エビです! 「バナメイエビのエビチリ」を「芝エビのエビチリ」だと偽っちゃうのは確かにケシカラン。でも、せっかくの芝エビの甘みを、濃厚なチリソースで隠しちゃうのも、勿体ない! エビにも、適材適所があるのでした。同じ食材でも違う種類のもの、同時に食べ比べてみると、その差は想像以上ですよ!
参照元:Oisix
(写真・文=綾部綾)
▼ 実は、生まれて初めてかき揚げを作りました
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