欧米ではホリデーシーズンになると、各所から家族写真を伴ったホリデーカードが送られてくるのだそう。ハガキに写真っていうと、まあ要は、日本で言う年賀状みたいなものかしら?
毎日毎日、独身である自分の元に送られてくる、幸せそうな家族写真の山。ある意味での「猛攻撃」を受ける中、フォトグラファーでパフォーマンスアーティストのSuzanne Heintzさんは、ふとこう思ったらしいの。「そうだ、家族がいないなら、自分の手で作っちゃえばいいじゃん!」
そんな発想の元に生まれたのが、本日みなさまにご覧いただく彼女の作品『Life Once Removed(かつて取り除かれた人生)』。
海外サイト『LENSCRATCH』に掲載されたその全貌をみるに、たしかにHeintzさんの傍らには、背が高くて優しそうな旦那さまと可愛らしいお嬢様が……って、コレどう見ても人形やないか!
人間そっくりのマネキンにあたかも自分の夫と娘かのように接し、その様子をフィルムにおさめた彼女の作品は、よ~く考えると、いや考えなくても超絶シュール。
だってマネキン夫とおなじベッドで朝を迎えて、倦怠期のカップルさながら会話の少ない朝食を摂ったり、就寝前のマネキン娘にキスしたり。コレってどう考えてもシュールでしょー! シュール以外の言葉、見つからないでしょー!
個人的にはこのかんじ、かつてテレビ東京で放映されていたブラックテイストのマネキンドラマ『オー! マイキー』を思い出しちゃうわ(みなさんご存知でしょうか)……。まああれは、家族全員がマネキンだったけれど。
Heintzさん曰く、この家族像は自らが幼児期に体験した記憶が元になっているとのこと。また同時に、現代における「結婚生活や家族生活は、こうあるべきである」という社会通念を風刺する意図も、作品の根底に含まれているのだとか。
コミカルな中にも人生の悲哀が存在しているというか、どこかリアリティーがある、同作品。見れば見るほどその不思議な魅力に惹きこまれていく、「フェイク家族の1年間アルバム」を、それではたっぷりとお楽しみくださいませ。
参考元:LENSCRATCH
(文=田端あんじ)
▼じわじわきます
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