2015_08_yu027
夏はお祭りの季節! 浴衣姿の人たちを見ると、心が躍ってしまいますねえ。

ものすごーく不器用な記者(わたし)ですが、着物が大好き。ここ3年ほど日本舞踊を習っています。師匠や呉服屋さんにいろんなアドバイスをいただきまして、不器用ながらになんとかカッコつけられるようになりました。

最近の浴衣は、お値打ちなものも増えてきましたし、なんたって、浴衣はカジュアル着。絹のお着物のようなお手入れもいりませんし、ガンガンお洗濯できるものもあります。普段は和服に縁がなくても、浴衣なら気軽にチャレンジできますよね。夏はそのチャンスです! 「ちょっとそこまで」の普段着に、浴衣を着てみませんか?

そこで、夏の間に浴衣を着るとき、押さえておくと便利なポイントをいくつかご紹介します。

■ 着付け編

【肌襦袢を着なくてもいい!】
浴衣を着るときには通常、肌襦袢という下着をつけます。でも、肌襦袢を着ないと罰金を払わないといけない、なんてことはありません! 見えさえしなければ、上はタンクトップでもいいじゃないですか。

夏場は汗ばむし、足さばきが悪くなりますよね。日本舞踊をやっている人は、足さばきをよくするために、下にステテコを穿いている人が多いのですよ。――ということは、下は、膝丈のレギンスでもいいじゃないですか! ユニクロの「リラコ」もおすすめです。記者は、踊りのお稽古のとき、スポーツブラにタンクトップとリラコです。

2015_08_yu047

タンクトップにしろリラコにしろ、透けることがありますから、浴衣の生地や色、柄をよく見て選んでくださいね。

【死者にならないために】

お祭りなどで、時々目撃してしまうのが「左右の合わせが逆になってしまっている」人。アーッ! それは死者の装いですぞ! 実はこれ、ひとりで着物が着られる人が初めて他の人に着付けをするときに、やってしまいがちなミスなんです。

自分で着るときと、他の人に着せてあげるときは、合わせが逆になるので、慌てていると、つい間違ってしまうんですよ。プロではない人に着付けてもらうときは、安心して任せっきりにしていてはいけません。「心臓がある左胸にスッと手を入れられる合わせ方」と覚えておけばいいです。

もしも外出先で、自分が “死者の装い” になっていることに気づいたら? 着付け直しができる状況でなかったら、うちわか扇子で、目立ちやすい胸元を隠しておきましょう。死者の装いをしたら死ななければならないわけではありません。誰にでも失敗はあります。二度とやらなければいい、それだけです。

■ しわ伸ばし編

和服姿には「ここがピシッときまっているときれいに見える!」というところがいくつかあります。そこで、外出中でもカンタンに直せる二つのポイントをご紹介。

【1. おはしょりをきれいにしよう】
1つめのポイントは、前のおはしょり(帯の下で折りたたまれているところ)部分です。ここが盛り上がってフワフワになっていると、ちょっとだらしなく見えてしまいます。
2015_08_yu039

フワフワになったおはしょりの下線を帯と平行にして、平らにならしましょう。余ったところは帯の下に入れ込んでしまうといいですよ。
2015_08_yu043

【2. 背中のシワをきれいにしよう】
2つ目は、背中のシワです。まず、後ろのおはしょりの外側を下にぐっと引っ張って、背中のたるみをとりましょう。内側を引っ張ると、裾が上がってしまうので、外側を引っ張ってくださいね。襟が引っ張られる感じがあればOKです。浴衣は、ちょっとくらい短めに着たほうがカワイイので、多少は裾が上がっちゃってもいいですよ。
2015_08_yu010

続いて、両脇の開いている部分「身八つ口」を外側に引っ張って、背中を平らにします。ちょっと乱暴な言い方をすれば、シワを脇の下に隠してしまうわけです。
2015_08_yu023

■ 帯のゆるみ編

浴衣の帯は半幅帯(はんはばおび)を使います。いろんな飾り結びがありますが、いちばんゆるみにくいのは、オーソドックスな「文庫結び」です。それでも「ちょっとゆるんできたかも?」と思ったら、応急処置として、手ぬぐいやハンドタオルをたたんで、帯の下に入れてしまいましょう。
2015_08_yu027

万が一のときのために、事務用のクリップを2つほど用意しておくと、急場はクリップで留めることでなんとかしのげます。でも、そのままにしておくと、汗で錆びて、帯や浴衣が汚れてしまうことがあります。クリップは、結びなおすまでの時間稼ぎなので、最初からクリップを使ったり、つけっぱなしにしないでくださいね。

自信がない方は、ふわふわした可愛い兵児帯(へこおび)にしましょう。リボン結びをするだけで良いので、締めなおすのもかんたんです。

浴衣を持っていたら、近場のお出かけにもどんどん着てみてください。とにかく慣れです。和服には、いろんな決まりごとがあって難しそうに思えますが、ただのファッションです。好きでもないのに着ることもありません。もし気に入れば、その決まりごとやコツを、楽しんで覚えればいいことです。毎日和服を着ている踊りの師匠だって「今日は着物がしっくりこないなぁ」という日があるのだそう。

街で見かける和服姿は、全体的に女性のほうが高いですが、男性にもぜひ着てほしいなあ! 男っぷりが、実に2倍ですよ!

撮影・執筆=綾部 綾 (c)Pouch