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年末、年越しといえば、除夜の鐘。幼いころから親しんできた、この日本ならではの伝統行事を自粛するお寺が、ここ最近増えつつあるようなんです。

「夜中に鐘を鳴らすなんて迷惑」「うるさい」といった近隣住民からの苦情で、やむなく中止を選ぶ。そんなお寺が全国に存在するという事実が各メディアで報道され、ネットでも大きく話題となりました。

【そもそも「除夜の鐘」ってなあに?】

そもそも、除夜の鐘にはどんな意味があるのでしょうか。

「浄土宗」公式サイトによれば、除夜の鐘は、「煩悩を除き新年を迎える」ための行事とのこと。除夜の鐘をつき、その音を聞くことによって、1年のうちに作った罪を懺悔し、煩悩を除いて、清らかな心になって新しい年を迎えようといった意味を持つのだそうです。

【煩悩とは?】

人が持つ煩悩の数は108つ。除夜の鐘をつく回数も108つ。この2つは、みなさんもご存じであろうと思います。

ならば「煩悩」とはなんなのでしょう。「浄土宗」によると、煩悩とは「愛着」や「執着」のこと。自分にとって離しがたく捨てがたい感情や感覚を指すんですって。

【「除夜の鐘」という行事自体はなくならないでほしい】

スッキリと身ぎれいになって新年を迎えたいと、誰もが思うもの。

私個人としては、大みそかの夜に聴こえてくる鐘の音は年越しには欠かせない要素。中止と聞くとただただ残念、寂しさばかり感じてしまいます。だけど、近所で「ゴーンゴーン」と鐘をつかれる人の気持ちを考えてみると、「やめないで!」とはなかなか言えません。

難しい問題ですが、夜ではなく昼間に鐘をつくことで対応している寺もあるようですし、なんとか伝統行事として守り続けていってほしいものですね。

参照元:浄土宗
画像:ぱくたそ
執筆=田端あんじ (c)Pouch