スタジオジブリの作品には、いつもおいしそうな食べ物が出てきます。世界中で大ヒットした『千と千尋の神隠し』の冒頭で、千尋のお父さんが食べている「謎のプニプニ」もそのひとつ。お箸で持つとテロ〜ンと伸び、「じゅるッ」とすすって食べる姿がなんともそそられます。
『千と千尋の神隠し』が公開された2001年の夏以来、16年以上「食べたら豚になってしまうとしても、ぜひあれを食べてみたい」と思い続けて来たのですが、ついに作ることができました。てろ〜んととろけ、肉汁じゅわ〜で豚になっちゃう「謎のプニプニ」を!
【あのプニプニは台湾B級グルメの「肉圓(バーワン)」だという噂】
「謎のプニプニ=肉圓(バーワン)」という噂が、2014年頃に広まりました。肉圓とは台湾のB級グルメで、サツマイモ粉などで作られた半透明の皮の中に、豚肉をメインとした餡(あん)が入っているもの。『千と千尋の神隠し』の舞台は台湾・九份がモデルだと言われていることもあり、肉圓だという噂は支持されるようになりました。
【検証&ジブリ広報への問い合わせで「肉圓ではない」と判明】
ところが、Pouchの兄弟サイト、ロケットニュース24でスタジオジブリ広報に問い合わせたところ、プニプニは肉圓ではないし、九份が舞台ということも否定されているのです。
そりゃ、そうですよね。だって「トンネルのむこうは、不思議の町でした。」と、いうキャッチコピーだったのですもの。お父さんが「謎のプニプニ」を食べた場所はすでに別世界だったわけです。
【「謎のプニプニ」の要件は?】
不思議の町の食べ物を人間界にある素材で作ろうだなんて、無理な話かもしれません。でも食べたい。ということでレシピを考案してみることにしました。
『千と千尋の神隠し』でお父さんが「謎のプニプニ」を食べるシーンを何度も見て考えた要件は……
・箸で持つとテロ〜ンと伸びてくること
・薄く透けるが、向こう側の色が透けて見えるほどではないこと
・一気食いしたくなること
・お汁がぴゅわ〜っと飛び出ること
です。
【私的『千と千尋の神隠し』の「謎のプニプニ」レシピ】
試行錯誤の上、ようやくたどり着いたレシピは以下の通り。
<材料(10個分)>
・白玉粉 200g
・水 200cc
・豚挽肉 200g
・きのこ類 20g
・長ネギ 20g
・すりおろしたにんにく(もしくはチューブにんにく) 少々
・すりおろした生姜(もしくはチューブ生姜) 少々
・ごま油 大さじ1
・醤油 大さじ1
・顆粒コンソメ 小さじ半分
・粉ゼラチン 5g
・ポン酢 お好み
<作り方>
1. ボールに白玉粉を入れ、水を少しずつ加えてつるりとした手触りになるまでよくこね、10等分にする
2. きのこ類と長ネギを荒くみじん切りにし豚挽肉と一緒にボールに入れる
3. 2に生姜、にんにく、ごま油、醤油、顆粒コンソメ、粉ゼラチンを加え、よくこねて10等分にする
4. 1を薄く伸ばして、1で3を包む。手に張り付きやすいので、1を少量にちぎり伸ばしながら、貼り付けるようにして団子状にいくとやりやすいです
5. 大きな鍋にたっぷりの湯を沸かし、沸騰したら4を入れていく
6. 浮いてきたら、そのまま5分程度弱火で加熱して火を止める
7. 器に入れ、ポン酢をかけたらできあがり
■私的『千と千尋の神隠し』の「謎のプニプニ」のお味は?
光に透かせばかすかに透けるお餅は、ポン酢の爽やかな酸味をまとって箸で摘み上げると重みでテロ〜ンと伸びてきます。お餅の中には香味野菜たっぷり&ごま油が香るジューシーな肉団子が。ゼラチンを入れているので噛み切ると肉汁がこぼれ出てきちゃうので、そのままパクーっと一気に口に含み、もぐもぐと食べたくなります。
【豚に変身した後のお父さんのようにコロッコロしてしまうかも】
この「謎のプニプニ」、2個も食べればかなり満足感があります。ですが、食感が病みつきになり、3個、4個と食べたくなります。で、4個食べてから気づきました。「これは炭水化物ダイエットの真逆じゃないか」と。
白玉粉は米からできているので、これを4個も食べてさらに別のものを食べてしまった日には、まるで豚に変身した後のお父さんのようにコロッコロになってしまいそうです。
食感が病みつきになる、「謎のプニプニ」。白玉粉があったら、ぜひ試してみてください。でも、くれぐれも食べ過ぎには気をつけて!
※肉団子入りの大きな餅なので、お子さんや老人など、喉に詰まらせそうな人の場合は小さく切ってお召し上がりください。
料理・撮影・執筆=山川ほたる (c) Pouch
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