フランス・パリ16区に突如現れた “リアル・スパイダーマン” が、フランス国内のみならず、世界各国で話題になっています。

“リアル・スパイダーマン” が姿を現したのは、現地時間2018年5月26日。マンション5階のベランダから今にも落ちそうになっている4歳の子供を助けるべく、身ひとつで壁をよじ登って、わずか40秒ほどで救出してしまったのだから驚き~!

事件の一部始終をとらえた動画がSNSに投稿されるや否や、瞬く間に拡散されて、その業績はパリ市長のアンヌ・イダルゴ氏やフランス大統領・エマニュエル・マクロン氏の耳にまで届くこととなったんです。

【スパイダーマンの正体は移民の男性】

“リアル・スパイダーマン” の正体は、22歳の男性ママドゥー・ガッサマ(Mamoudou Gassama)さん。

イダルゴ市長のツイッターによれば、ガッサマさんはパリで暮らそうと、数カ月前にマリから移民として渡仏していたといいます。

【救出劇を市民たちが応援】

そんなガッサマさんがある日遭遇したのが、この事件。

2階から3階へ、3階から4階へと命綱無しでするする登っていくその姿には、一切の迷いを感じません。救出劇を見守る野次馬からは歓声が飛び、居合わせた車からも次々クラクションが鳴らされて、まるで一致団結して応援しているかのようです。

【片手で持ち上げるとか…かっこよすぎ~!】

そうこうしているうちに目的地である5階へと到達したガッサマさんは、ベランダの手すりにぶら下がっていた子供を片手でひょいっと持ちあげて、あっという間に救助完了! 現場は大歓声に包まれて、この瞬間、ガッサマさんはパリの英雄(ヒーロー)となったのです。

なお通報を受けた消防士たちが現場へ到着したのは、事件が解決した後だったのだそうですよ。このスピード解決っぷりは、まさしくリアルヒーロー!

ちなみに……海外サイト「Mashable」によれば、事件当時、子供の両親は家にいなかったとのこと。

【「救助を終えてようやく恐怖を感じた」】

AFPの取材に対し、ガッサマさんは「子供を助けた瞬間に、ようやく恐怖を感じた。リビングに入ってから震えはじめて、立っていられなくなって座り込んでしまったんだ」とコメント。

きっと当時は、子供を助けなければという思いが先だって、自分の恐怖など後回しだったんでしょうね……。

【奇跡を起こした青年が、さらなる奇跡を生む!】

ガッサマさんが行った偉業に対し、イダルゴ市長はガッサマさんに感謝の意を伝えるべく電話で話したとツイート。「彼の英雄的行為はすべての市民の一例。パリは彼がフランスに生活基盤を作ることをサポートするつもりだ」とコメントして、注目を集めました。

その後は「ガッサマさんの移民申請を受理すべきだ!」と立ち上がった市民によってオンラインでの署名集めが開始されたり、ついにはマクロン大統領と直接会う機会に恵まれたりと、自らが起こした行動によって人生が一変したのでした。

「フランス市民になる」というガッサマさんの夢が、現実のものとなるかもしれませんね。

参照元:Twitter @BillalRighiTwitter @Adil__BrownTwitter @Anne_HidalgoYahoo!Mashable
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼イダルゴ市長のツイッターはこちら


▼子供もガッサマさんも無事でなにより!