南極大陸には、フランスとイタリアの科学者たちが共同で運営する研究施設・コンコルディア基地があります。

この基地のリーダーとして活躍しているCyprien Verseuxさんは、氷河学者であり宇宙生物学者。マイナス70度の世界で起こることを、日々ツイッターやブログで公開していて、とっても興味深いんです。

そのなかでも特に気になってしまうのが、「マイナス70度の世界で料理を作ったらどうなるか」シリーズ!

冷凍庫よりもずっっっと温度が低い、常軌を逸した寒さですので「ぜんぶ凍ってしまう」のは想像がつくと思うのですが、その固まり方がまるで食品サンプルのようで、ユーモラスですらあるんですよね。

【まるで時が止まったみたいな固まり方】

これまで凍らせてきたメニューは、フォークに絡ませたパスタ、とろ~りと溶けるラクレットチーズ、チョコレート風味のスプレッドなど。

パスタに関してはフォークが、ラクレットに関してはチーズをとろけさせたフライパンが、宙に浮いたまま

一方、チョコスプレッドはというと、パンの中から溶け出したスプレッドがそのまま滝のように固まっていて、マイナス70度がいかに厳しい環境なのかということを実感させられます。

【コメントがのんきで和みます】

厳しい環境に相反するかのようにのほほんとしているのが、Cyprienさんによるコメント。

「気温はマイナス70度まで上昇しましたが、外で食べるにはちょっと肌寒かったです」
「屋根の上で昼食をとるのは、良い考えじゃないと思いました」

といった具合に、「いやいや、上昇してマイナス70度て!!! あと “ちょっと肌寒い” ってレベルじゃないでしょ~~~!」と心の中でツッコんでしまうこと必至。これでも暖かいほうだなんて、想像しただけで卒倒しそうですよ……。

【卵の殻が浮いているシュールなショットも】

また個人的に好きだったのは、「スクランブルエッグを作ろうとして失敗してしまった」写真です。

卵の殻を割るまではうまくいったものの、フライパンへ落とし込む瞬間に凍ってしまったようで、なんと殻は宙に浮いた状態! 料理の前にすべてが終了してしまった物悲しさが伝わってくる、最高の1枚でございました。

でもこの後ちゃんと食事にありつけたのか、ちょっぴり心配だわ……。

参照元:Twitter @CyprienVerseuxMars la BlancheConcordia Station
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼スプーンから滴るジャムも凍る寒さ