ファンシーな「塗り絵」をシュールでダークな世界観に描き替える！アーティスト「shiki」の作品に釘付けになる…

現在、ツイッターで2万3000人を超えるフォロワーを持つアカウント「shiki」。どんな投稿で多くの人々の目をくぎ付けにしているかというと……それは「塗り絵」！

といっても、もちろんただの塗り絵にあらず。その高い画力と独特のセンスで元のファンシーな絵を一転、とんでもなくシュールでダークな世界観に描き替えてしまうんです！

ディズニーのあの人気キャラが、プリンセスが、shikiの手にかかるとどうなるか……その鬼才っぷりは、絵を見れば一目瞭然。でも、こんな作品を次から次に生み出すshikiっていったい何者なの!?

【右手にモザイクかけたいほどヤンチャなウェンディ】

たとえば、ピーターパンとウェンディが描かれた塗り絵。目を閉じたウェンディが唇をピーターのほうに寄せており、愛らしい雰囲気を感じる1枚です。

これがshikiワールドになると……ハイ、めちゃくちゃヤンチャなウェンディに！　ピーターパンにツバ吐きかけて、中指立ててるーーーッ!!!　元の絵にはなかった右手が、ツバが、違和感皆無のタッチで描き足されてます！

【実はものすごく社会派なのかもしれない】

お次は『プリンセスと魔法のキス』のティアナ。働くのが楽しいといった様子でお皿を運んでいますね。ここからどうなるかというと……。

「OVERWORK」「KAROSHI」「死」というダークすぎる文字が躍る作品に。全身が真っ黒に塗りつぶされ、汗や涙が描き加えられたことで、同じ絵でも一気に過労死寸前の様相になるのがスゴい。さらに、誰かにお尻をさわられていたり天井から縄がぶら下がっていたりと、細かいところまで芸が細かい！

過労死にセクハラ、自殺など現代日本の闇をこの1枚に凝縮しているようにも見えます。いったいどこまで狙って描いてるの!?

【セサミストリートのキャラが……】

ディズニーだけでなく、セサミストリートのキャラも登場します。アーニーがケーキを持っているというほのぼのした塗り絵ですが……。

アメリカで逮捕された人が撮る写真のやつになってるーーーッ!!!　どういう発想したらマグショットになるの！　ねぇ……!!

顔や体にタトゥー、舌にはピアスで、これは立派な犯罪者のアーニーですわ。麻薬かな、窃盗かな。ケーキは面影もなくなり、かわりに囚人番号の板を手にしています。

【shikiの関係者に話を聞いてみた】

……とこのように、常人とは大きくかけ離れた強力すぎる想像力で、ほのぼのした絵を独特の世界に塗り替えてしまうshiki。「いったい何者なの？」と気になった人も多いことでしょう。

でも、調べてもちっともその正体がつかめない……！　ツイッターのプロフィールには「いちごの惑星から来たの」と書かれているだけ。ファンの間では「2017年から突然ツイッター上に現れた」と言われているものの、経歴、年齢、性別などいっさい明かされておらず、すべてが謎に包まれているんです。

けれどこのたび、shikiの関係者だという人物とのコンタクトに成功。次のような話を聞くことができました。

「塗り絵に関してはもともと2010年あたりにアメリカの悪ガキの間で流行った『残酷風塗り絵』を参考にしているようです。shikiはそれらをベースに、『風刺画』『洋画ポスター』『シュール絵』などアメリカには無かったものをシリーズコンテンツ化しています。おそらくは、『普通は塗らない所に全力でフォーカスを当てる塗り方』を塗り絵で実践しているのでしょう」