世界中に熱狂的なファンを持つ伝説のSF映画『スター・ウォーズ』シリーズの完結編『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が2019年12月20日、いよいよ公開されます!
『スター・ウォーズ』シリーズの9作目である完結編を任されたのはJ.J.エイブラムス監督。7作目にあたる『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)の監督でもあり、シリーズで初めて女性を主人公に据えて作品を大ヒットに導いた巨匠です。
今回、最新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のプロモーションで来日したJ.J.エイブラムス監督にインタビューするチャンスをいただき、会ってきました。J.J.エイブラムス監督は超秘密主義で有名なので、試写も観ないままのインタビューになり「秘密を明かしてくれるかな~」と思いつつ、トライしてきました!
【『スター・ウォーズ』をあまり知らない人のために豆知識】
『スター・ウォーズ』は、1977年に公開された際、それまで大ヒットしないと言われたSF映画を大娯楽作としてヒットに導き、また特撮映画をメジャーにした作品として知られています。シリーズは最新作を入れて全9作。J.J監督は『スター・ウォーズ』の生みの親であるジョージ・ルーカス監督以外では、唯一シリーズの2作品を手掛けた監督なのです。
【SWファンに戻ったつもりが、完結編の監督に!】
――熱狂的なファンの多い『スター・ウォーズ』の完結編を任されるなんて、すごいですよね! J.J.監督は第7作目の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を手掛けていますが、それでも完結編の監督はプレッシャーじゃないですか?
J.J.エイブラムス監督(以下、J.J.監督)
「僕は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を監督したあと、大満足して「これでまた観客として『スター・ウォーズ』を楽しめるぞ、ファンに戻れる!」と思って、ライアン・ジョンソン監督の8作目の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』も「予想を裏切る展開だ」と楽しみました。でも、そのあと、再度『スター・ウォーズ』最新作の監督を務めることに決まったんですよ。長く続いたシリーズの9作目の完結編だから、正直すごく怖かったけど、同時に凄くやりがいのある仕事だとも思いましたね」
――監督が完結編でこだわったところは?
J.J監督
「やはりレイア姫の登場ですね。レイア姫を演じたキャリー・フィッシャーは残念ながら亡くなってしまったけど、僕は彼女をどうしてもこの作品に出演させたかった。でも、CGで蘇らせるようなことは絶対にしたくないと思っていたところ、幸い、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に彼女が出演したときの未使用の映像がけっこう残っていて、これを使おうということになったんです。完結編は、絶対にジェダイ戦士を支えたスカイウォーカー家への敬意を払うことは忘れてはいけないと思いながら演出しました」
【スカイウォーカー家の親子関係はどこの家庭でもあること?】
――レイア姫にまた会えるのはうれしいです!でも、監督は秘密主義だから、どんな作品になっているのか全然わからなくて、今からドキドキですよ。この映画は宇宙を舞台にした家族の物語でもありますよね。
J.J監督
「レイア姫は、レジスタンス軍のリーダーで、彼女の息子のカイロ・レン(アダム・ドライバー)はそれに対抗するファースト・オーダーのリーダー。親子で敵対する関係というところはドラマチックだけど、スカイウォーカー家のこの親子関係は、実はどこの家庭にもある問題とあまり変わらないと思いますよ(笑)」
――子供が必ずしも親に従うわけではありませんからね。でもこのスカイウォーカー家の物語は、弱者が権力のある悪に立ち向かっていく姿も描いているわけで。最新作でそれを象徴するようなシーンはありますか?
J.J監督
「シーン? それはちょっと言えない(笑)。それを僕に聞いてくるなんて、すごいチャレンジャーだね(笑)。でも、映画を見てからじゃないと、取材しにくいよね。記者の皆さんには本当に申し訳ないと思っています。言えるとしたら家族の力の結集、仲間の力が描かれているということです。それぞれの力や、ポテンシャルが発揮できるのは、やはり家族や仲間の力があってこそです。それを僕なりの解釈で描いているけど、観客のみなさんにどう響くか。どう受け取るかはみなさん次第ですね」
【カイロ・レンの壊れたマスクの直し方】
――『フォースの覚醒』のときは、高田馬場からネーミングのヒントを得たタコダナという惑星が出てきて日本のファンは大喜びでしたが、本作では?
J.J監督
「今回は、カイロ・レンが自分の壊れたマスクを日本の金継ぎという手法で修理しています(金継ぎ:器など破損したものを修繕する際に漆で接着して仕上げる技術)。マスクの傷跡を見せることにこだわって金継ぎ手法を用いました。あと、キャストのひとりとして、僕の友人であるアーティストの村上隆さんも出演していますよ」
――すごく楽しみです!最後に監督の映画人生の中で『スター・ウォーズ』は、どういう存在でしょうか?監督として関わって人生は変わりましたか?
J.J監督
「正直、『スター・ウォーズ』の大ファンだったからこそ、仕事をしたらもしかして嫌いになってしまうんじゃないかという不安もあったんです。でも逆でしたね。実際に関わって、『スター・ウォーズ』の生みの親ジョージ・ルーカスがどんなに裏で大変な作業をしてきたのかというのがわかったし、それをすごく軽々とやっているように見せていたということもわかりました。これだけ多くの人に愛された映画に関われていることは、僕の映画人生の中でも幸福だと言えますね」
J.J.エイブラムス監督の言葉を胸に秘めつつ、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を鑑賞したいと思います! J.J.監督、ありがとうございました!
取材執筆:斎藤香 (c)Pouch
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』
(2019年12月20日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー)
製作&監督&脚本:J.J.エイブラムス
出演:デイジー・リドリー、アダム・ドライバー、ジョン・ボイエガ 、オスカー・アイザック、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ビリー・ディー・ウィリアムズ、ルピタ・ニョンゴ、ドーナル・グリーソン、ケリー・マリー・トラン、ヨーナス・スオタオ、アンソニー・ダニエルズ、ビリー・ラード、ケリー・ラッセル、ナオミ・アッキー、リチャード・E. グラント
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