『アンネの日記』といえば、ユダヤ系ドイツ人少女のアンネ・フランクが書き記していた日記をまとめた文学作品。日本でも1952年に翻訳出版されて以来、長く読み継がれています。

もしアンネが13歳の誕生日に、日記帳ではなくてカメラをプレゼントされていたら……? 彼女は自撮り形式で動画を撮影し、記録を残していたかもしれません。

そんな設定のもとに、オランダのアムステルダムにある博物館「アンネ・フランクハウス」がYouTubeに公開しているのが『アンネのビデオ日記』(Anne Frank video diary)という動画シリーズです。いったいここにはどんな映像が収められているのでしょうか?

【誕生日プレゼントのカメラで自撮りするアンネ】

『アンネの日記』に記されている内容を動画で再現しているのが『アンネのビデオ日記』。2020年3月30日に1話目がアップされており、4月25日時点で12話目まで公開されています。

たとえば第1話「私の最高のプレゼント(My best present)」で描かれたのは1942年6月12日、アンネの誕生日の風景。当時、オランダはドイツに占領されており、ユダヤ人はできることが日に日に制限されていきます。

そんな中でアンネが誕生日プレゼントにもらったのが「カメラ」。彼女はさっそく、カメラに向かって微笑みかける様子、姉の自転車の後ろに乗る様子、友達と仲良さそうに遊ぶ様子などを自撮りします。

けれど一方で、姉のマルゴットにナチスから強制労働収容所への召集令状が届き、アンネの表情にも暗い影を落とすことに……。動画でアンネは、日記をしたためるように、カメラの画面に向かって自分の率直な気持ちを話しかけています

【当時の空気感が伝わってくる映像】

動画は全15話を予定。2話目以降も、アンネが自身でカメラを回しながら、隠れ家での生活や自身の考えなどについて伝える内容になっています。“自撮り”という手法は、アンネ・フランクについて知らない若い人にとっても、共感や親近感を抱きやすいといえるのではないでしょうか。

残念ながら日本語訳などはついていませんが、当時の雰囲気など映像から伝わってくることはいろいろあるかと思います。各エピソード5~7分ほどでコンパクトなので、興味を持った方はぜひご覧になってみてください。

参照元:YouTube
執筆:鷺ノ宮やよい (c)Pouch

▼『アンネのビデオ日記』予告編

▼『アンネのビデオ日記』第1話