2021年3月18日に放送された、MBS制作の深夜ドラマ『西荻窪 三ツ星洋酒堂(通称:にしぼし)』最終話。

ドラマのラストにフィーチャーされたのは、雨宮(町田啓太さん)の過去と現在

やりたいことや夢がない、あるいは見つけられない……。何らかの理由で「立ち止まったまま」のすべての人に、優しく寄り添う物語でした。

【最終話あらすじ】

最終話のお客さんは、先代マスターに会うためロンドンからやってきたデザイナー・才川(中山美穂さん)。

才川はマスターに背中を押されたのを機に仕事にまい進。しかし仕事を優先にしたせいで母の死に目にあえず、文句を言いにやってきたのです。

いっぽうバーは「終わり」を目前に控えていました。

【やりたいことを見つける人たちの中で…】

やりたいことをやれと背中を押してくれた母。しかしそんな母は、自分のやりたいとこができていたのだろうか……と、才川は思いを馳せます。

そんなとき、画家だった父がバーに残した絵に「母の姿」を見つけて、母は幸せに生きたのだと実感。

また父は、絵の裏に「気づかぬうちに、誰かは誰かの夢である」という言葉を残しており、ふと「自由に生きる自分こそが母の夢であった」ことに気がつくんです。

小林(森崎ウィンさん)は小説家として書きたいことを見つけ、中内(藤原季節さん)はシェフに戻るべく行動を起こし、前へ進もうとしていましたが……

ただひとり、雨宮だけは立ち尽くしたまま。仲間たちを、寂しげな瞳で見つめるばかりでした。

【雨宮は「いつかの私」だ】

雨宮には、かつて兄に「お前は本当は何がしたいんだ。自分がないのか」と問われ、「何が欲しいのかわからない」と涙した過去がありました。

意気消沈した雨宮は「人生のひと休み」と称してバーテンダーになりますが、相変わらず「欲しいもの」は見つからないまま……。

バーの閉店が決まっても、次に何をしていいのかわからなかったんです。

やりたいことがない。わからない。そういう人はたぶんたくさんいて、夢を早い段階で見つけられるのは稀だと思います。

雨宮が進む道を見つけられなくて焦り、悩み、立ち尽くす姿に、強い共感を覚えるのは私だけではないはず……!

【今を生きれば道は開く】

今回は、そんな雨宮に寄り添う名言が続出。

「マイペースで堂々といけ! 早いうちから夢を見つけられたらラッキー」
「(人は)缶詰のようなもの。だからできる限りいい味になって、焦らず、開く時を待とう」

など、心に響く言葉ばかり。

その中でも印象的だったのは、シャルトリューズを使用したオリジナルカクテルの “カクテル言葉” として登場した「今を生きる」です。

シャルトリューズは「リキュールの女王」と称されることもある薬草系のリキュールで、樽で熟成して作られます。

やりたいことや夢が見つからなければ、ただ、今を生きよう。そうすればおのずと道は開く(缶詰が開く)のだから……。

カクテルからはそんなメッセージが伝わってくるようで、雨宮の新たな決意のようにも思えました。

【シーズン2はまだですか】

最終的に雨宮は「このまま3人でバーを続けたい」という夢を見つけます。

今を生きていたら「人生のひと休み」が「人生」へと変化した……という描写に、胸をつかまれる思いです。

ちなみに、放送されるたびツイッターで話題になる『西荻窪 三ツ星洋酒堂』ですが、今回も関連ワードが軒並みトレンド入り

物語の続きを観たくなるラストだったこともあり、続編を望む声も数多く寄せられていました。

心を優しく包みこんでくれる “毛布” のようなドラマだったので、ぜひともシーズン2を制作してほしい~~~っ!

参照元:MBSInstagram @3boshi_youshudo_mbsTwitter @3boshi_youshudoTwitter検索 #西荻窪三ツ星洋酒堂 続編
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:©「西荻窪 三ツ星洋酒堂」製作委員会・MBS

▼3人の今後を観たい!