人は誰しも悩みを抱くもの。

価値観の変容が進んで多様性の時代になっても、ある種の “生きづらさ” を抱えているような気がします。自分のコンプレックスやトラウマから抜け出せない、そんな自分を愛せない……。

こうした “負のスパイラル” に陥りそうになったときに私は、現代をサバイブしていくうえで心の栄養補給のようなNetflixオリジナルシリーズ『クィア・アイ』を観るんです。

Pouch では何度も激推ししている同シリーズですが、今回は「いまこそ『クィア・アイ』を見てほしい理由3つ」と題して見どころポイントを厳選してみました。この機会に『クィア・アイ』の良さを再確認したいと思います!

【いまこそ『クィア・アイ』を観てほしい理由3つ】

■その1:価値観の変化がめまぐるしい今だから。

美や食などのスペシャリストが集まった5人組 “ファブ5” が悩みを抱えた人のもとを訪れ、劇的ビフォーアフターを繰り広げる本シリーズ。ファブ5のメンバーはゲイやノンバイナリー(性自認が男性にも女性にも当てはまらない)を公言しており、番組にもLGBTQの参加者が多数出演しています。

Queer Eye. (L to R) Antoni Porowski, Tan France, Bobby Berk, Jonathan Van Ness, Karamo Brown in episode 601 of Queer Eye. Cr. Courtesy of Netflix. © 2021

そのいっぽうで、ファブ5に対して「君たちに偏見を持っていた」とハッキリと口にする参加者も。ゲイの結婚に関する話題が持ち上がったシーズン1の第1話では、ストレートの男性が「君は夫? 妻?」と尋ねる場面もありました。

またLGBTQ当事者だからといって、LGBTQのすべてを理解しているわけではありません。シーズン2第5話では、ファブ5自身がトランスジェンダー(こころの性とからだの性が一致していない人)への理解や知識が足りなかったことを隠さずに、「だからこそ理解したいんだ」と歩み寄っています。

ジェンダーに対する価値観をはじめ、世の中がものすごいスピードで変わっていく中で、シンプルに「あなたを知りたい」と参加者に接するファブ5を見ていると、ひとつずつ知っていけばよいのだと気づかされるんです。

■その2:世界に広がるファブ5の輪があるから。

アメリカを舞台にした本家『クィア・アイ』に続いて、今年2022年にはドイツ編ブラジル編が仲間入り。各国ごとにファブ5がいて、それぞれ個性を発揮しています。

本家・ファブ5のメンバーは、フード&ワイン担当のアントニ、インテリア担当のボビー、美容担当のジョナサン、カルチャー担当のカラモ、ファッション担当のタン。

ドイツ編のメンバーは、料理担当のアルヨシャ、インテリア担当のアヤン、美容担当のデービッド、カルチャー担当のレニ、ファッション担当のヤン・ヘンリク。

そしてつい最近ファミリーに加わったブラジル編のメンバーは、健康担当のフレッジ、インテリア担当のグト、美容担当のヨハン、カルチャー担当のルカ、ファッション担当のヒカで構成されています。

共通点は全員がLGBTQであること、そして最高のポジティブマインドを持っている人たちだということ! 参加者を変える番組でありながらも、その人の個性を決して否定せず、いいところを見つけて伸ばしていくスタイルも同じです。

ぜひ全制覇してあなたの “推し” を見つけてみてください♪

■その3:国は違えど同じだから。

国が変わろうとも、年齢や性別が変わろうとも、参加者が持つコンプレックスやトラウマはそう変わらない。本シリーズを観ていると、誰もが傷ついていて、できることなら自分を変えたい・変わりたいと願っていることに気づかされます。

明るく振舞っているけれど、誰にも言えない悩みがある。心の傷が癒やせないまま苦しんでいる。愛する人や仕事を優先しすぎて自分を大切にできない……。そんな参加者の姿がおのずと自分に重なるんです。

ファブ5はコンプレックスを魅力に変えるスペシャリストたち。誰よりもまず自分自身をケアして、大切にして、愛してあげることが、人生においていかに大事か気づかせてくれます。

自分を愛することができれば、自己肯定感が上がって、ポジティブになれる! 年を重ねるごと、変化を怖れがちになるけれど、劇的ビフォーアフターを終えた参加者たちの笑顔を見ていると、今からでも遅くないのだと勇気をもらえます。

コンプレックスがある人、変わりたい人、変わることを諦めてしまった人にこそ観てほしい!

■クィア・アイ シーズン 6配信 :日本
2021年12月31日5:00 午後 JST

■クィア・アイ: ドイツ編
シーズン配信 :日本
2022年3月9日5:00 午後 JST

参照元:NetflixInstagram @netflixjp
執筆:田端あんじ (c)Pouch