2017年に公開されて世界中を魅了した傑作映画『君の名前で僕を呼んで』。
その主演を務めたティモシー・シャラメさん×ルカ・グァダニーノ監督による最強タッグの最新作『ボーンズ アンド オール』がついに公開されます!
最新作のキーワードは、「人喰い」と「純愛」。
試写会でひと足お先に体験してきたのですが、“人間を食べるシーン” もあるのに、甘くて切なくて、そこはかとなく胸に込み上げる何かがあって……こんなにもエモいホラー作品、ほかにある?
未だかつてホラー作品では感じたことがない読後感(映画だけど)が残る作品でした。
【あらすじ】
物心ついたときから、人を食べる衝動を抑えられない18歳の少女・マレン(テイラー・ラッセルさん)。事件を起こすたび住む場所を変え、しまいには父に見放されてしまいます。
ひとり取り残されたマレンは、かつて自分のもとを去った母を探す旅へ出ます。その道中で、同じ秘密を抱える青年・リー(ティモシー・シャラメさん)に出会うのです。
“人を食べる” ということに葛藤があるけれど、その衝動に対する向き合い方は異なるふたり。逃避行の果てに辿り着く先とはーーー。
【ホラーなのにエモすぎる】
本作は全く新しいエモーショナル系ホラー。
血しぶきが飛び散り、シャツや口の周りが血で真っ赤に染まっていても、マレンとリーがいるだけで甘美なシーンに見えてくるから不思議です。
マレンとリーが醸し出す空気感が、ほんと〜〜〜にエモいんですよ。
人を食べるがゆえに、ひとりぼっちにならざるを得なかったふたりが、出会って、惹かれ合って、互いに唯一無二の存在になってゆく。100%安心し合える関係とは言えないけれど、わかり合える。君がいるから孤独じゃないーーー。
そんなふたりの関係には “エモい” という言葉があまりにも似合うのです!!!!!
劇中の情景も全ての瞬間を写真にして切り取りたくなるほど美しく、まばたきするのも惜しいくらい。残虐な描写もあるけれど、永遠に観ていられるわ……。
【のけ者たちが抱える生きづらさのメタファー】
旅の道中、ふたりは「人を食べる同族たち」と出会います。それぞれの生き方は違いますが、その多くは社会における「のけ者」であり、常に孤独がつきまとっているよう。
孤独だからこそ、自分を理解し受け入れてくれたと思える存在に出会ったとき、過度に執着してしまうことも……。
そして、私たちが生きる現実の世界にも生きづらさを抱えた「のけ者」たちが数多く存在することも事実だと気付かされます。
【純愛ここに極まれり】
マレンとリーは、そうした抗えない運命の中で必死にもがきながら、自分は何者であり、どう生きたいのか、考え続けます。
自分の中で制御できない感情と折り合いをつけながらも、ようやく見つけた幸せのかたち。そして、突然やってくる予期せぬ結末。ふたりの終着点は、あまりにも悲しくてやるせないけれど、純愛ここに極まれりともいうべきものでした。
究極の純愛ともいうべきラストシーンを、ぜひその目で見届けてください。
【ホラーレベルはどれくらい?】
ラストシーンでは様々な解釈ができるため、観た者同士で感想を語り合いたくなること必至。海外で公開されたときにSNSで話題になったことも納得です。
ちなみに……念のため言っておきますが、本作はグロテスクなシーンが出てくるホラー映画でもあります。
レベルとしては、スラッシャーホラーやゾンビものが観れるのであれば大丈夫。また海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』を楽しく鑑賞できたのであれば、本作も問題なく鑑賞できると思います!
参照元:プレスリリース
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:© 2022 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.
■『ボーンズ アンド オール』
2月17日(金)全国公開
配給:ワーナー・ブラザース
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