日本時間2024年3月11日にアメリカ・ハリウッドのドルビーシアターで開催される、第96回アカデミー賞。

先日ノミネートが発表された候補作の中には、Netflixオリジナル作品も含まれているんです。

そこで今回は番外編として、「2024年アカデミー賞にノミネートされたNetflixで鑑賞できる注目3作品」をご紹介! アニメから短編まで個性豊かな作品をピックアップしてみました♪

【Netflixで鑑賞できる注目3作品】

■その1:『ニモーナ

近未来的な発展を遂げた中世の王国を舞台にした、長編アニメーション。

女王殺しの濡れ衣を着せられた、元庶民の騎士・バリスターは、風変わりな少女・ニモーナと手を組んで真犯人探しに乗り出します。

ときどきとても狂暴で凶悪だけど、愛嬌たっぷりで仲間思いのニモーナ。孤独だったバリスターは次第に心を開いていきますが、実はニモーナこそ、かつて自分が退治すると誓ったモンスターかもしれず……?

・ココが見どころ!
SNSの影響もあり、悪評が広まりやすい現代社会。でも、それって真実?単なるうわさや誤解、思い込みでしかなく、実は「悪」ではないのかもしれません。

悪者というレッテルを貼られたバリスターとニモーナ、彼らを糾弾する人々を見ていると、そんな考えが浮かびます。

普遍的なストーリーながら、凝り固まった価値観をブッ壊してくれる良作! 友だちも、自分自身も、ありのままに受け入れようとするふたりを見ているだけで、心が洗われるのです。

『ベイマックス』『モンスターズ・ユニバーシティ』を手がけた脚本、リズ・アーメッドさん×クロエ・グレース・モレッツさんによる “声の共演” など、豪華すぎる布陣にも注目してみて。

長編アニメ映画賞ノミネート / 2023年6月30日から独占配信中
Photo:© 2022 Netflix、© 2023 Netflix, Inx、© 2023 Netflix, Inc.

■その2:『彼方に

ある日突然、大切なものすべてを失ったーーー。

毎日仕事に追われているダヨ。プライベートの時間も大切にしようと、家族水入らずで過ごそうとしますが、予期せぬ悲劇に巻き込まれて妻と娘をいっぺんに失ってしまいます。

悲しみに打ちひしがれながらも、生きていかなければならない。むなしい日々を過ごしていたダヨは、やがて仕事を通して1組の親子と出会い……?


・ココが見どころ!
社会とのつながりを取り戻そうとする主人公の姿を描いた、イギリス発の短編映画。上映時間は18分と短いですが、胸にガツンと響き、激しく心を揺さぶられます。

ダヨが置かれている現実はあまりにも悲しく、目をそむけたくなるほどですが、ラストシーンには希望を感じられるはず。

短編実写映画賞ノミネート / 2023年10月25日から独占配信中

■その3:『伯爵

250年ものあいだ生きながらえてきた吸血鬼のピノチェト。邪悪な欲望を満たすため、チリの大統領にも昇りつめましたが、もうこれ以上生きていたくないと思い始めます。

人間の生き血を飲むのをやめて、永遠の命を手放そうと決意したものの、若く美しい会計士がやってきたことで考えが一変!

執事とただならぬ関係にある妻、財産を狙う子どもたちと愛憎劇を繰り広げながら、やがて生きる希望を見出していくのです。

・ココが見どころ!
歴史に明るい人ならば「ピノチェト」「チリの大統領」というワードを聞いてピンときたかも!?

ピノチェトとは、チリの近代史に悪名高き独裁者として名を遺した「アウグスト・ピノチェト」のこと。実在した大統領が実は吸血鬼だったら……という異世界を描いた作品なんです。

そのため、風刺の効いた描写もたっぷり! 後半には、実在した超有名政治家がまさかの配役で登場しますよ。

全編モノクロで撮影された圧倒的映像美にもご注目。ちょっぴり(?)グロい場面もあるけれど、美しさのあまり延々と画面を観ていたくなる、吸血鬼ダークホラーコメディです。

撮影賞ノミネート / 2023年9月15日から独占配信中
Photo:Pablo Larraín ©2023 Netflix, Inc.

アカデミー賞の授賞式が開催される前に “イッキ見” してみてはいかがでしょうか。それぞれ毛色が違うので、作品ごと、新鮮な気持ちで楽しめるんじゃないかと思います♪

執筆:田端あんじ (c)Pouch