あなたには、忘れられない人はいますか?

ほかに恋人ができても、いつもその人の顔がチラついてしまう。ふとしたことで、元気かどうか、今どうしているのか、気になってしまう……そんな人。

もしも今、誰かの顔が浮かんだのなら、今回ご紹介する物語に自分を重ねてしまうかもしれません。

毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。

今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflixドラマ『One Day/ワン・デイ』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!

【あらすじ】

1988年7月15日の大学の卒業式の夜、初めて言葉を交わしたエマとデクスター。

夢中になって話し込んだふたりは、いつしかエマが暮らすアパートへ。一線を超えそうになりますが、結局なにもないまま朝を迎えます。

その後、それぞれの道を歩み始めてからも、ふたりはずっと交流を続けていくことに。友達以上恋人未満からはじまり、心を通わせたり遠ざかったりしながら、やがて唯一無二の “親友” になるのです。

【ココが見どころ!】

<その1:チクチク痛いリアルな距離感>

生真面目なエマと遊び人のデクスターには、ほぼ共通点がなかったけれど、パズルのピースがぴたりとハマるように惹かれ合うようになります。

互いに恋心を抱いていたものの、なぜか恋仲にはならず “親友” という便利な言葉でつながり続けるふたり。

「そんな関係じゃない」「自分には恋人がいる」と自制しつつも、ついつい心の拠り所にしてしまう……。親友だけど、長く付き合った元カレ・元カノのようでもある絶妙な距離感に、既視感を覚える人も多いはず!

私は、あまりに身に覚えがありすぎて胸がチクチクしちゃいました。

<その2:エモーショナルな映像美と最高の音楽>

人生における、宝物のようにキラキラ輝く瞬間を詰め込んだ本作。すべてのシーンが息を飲むほど美しく、エモーショナルで、だんだんエマとデクスターの心象風景のようにも思えてきます。

また、本作の舞台となる80年代後半〜90年代の音楽もエモいんですよ。

ニューオーダーにレディオヘッド、プライマルスクリーム、そしてクランベリーズ。目を見張るような映像美と音楽に身を委ねていると、不思議な恍惚感すら覚えるのです。ああ、いつまでもこの世界の中に浸っていたい……!

<その3:週末のイッキ見にぴったり>

本作では、エマとデクスターが歩んできた20年間の「7月15日」を、全14話にわたって描いています。

1話あたり約30分だから、時間がないときにも見やすい! 寝る前に1話ずつ観てもいいですし、7時間ほどあれば完走できるので週末のイッキ見にオススメです。

【「素になれる相手」がいるっていいよね】

エマといるときのデクスターは、ほかの誰といるよりも、人間らしくて可愛らしい。女の子をとっかえひっかえしているときは「ちょっぴりおバカな頼りないおぼっちゃん」に見えるのに、エマといるときだけひときわ魅力的に映るから不思議です。だからこそ、最終話は涙なしには観れません。

ちなみに、本作はデイヴィッド・ニコルズさんの小説を原作にした作品であり、2011年にはアン・ハサウェイさん主演で映画化もされています。ドラマ版とは違う良さがあるので、こちらもオススメ!

■今回紹介した作品

Netflixリミテッドシリーズ『One Day/ワン・デイ
2024年2月8日より独占配信中

※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。

執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:Matthew Towers、Ludovic Robert、Matt Towers /© 2022 Netflix, Inc.

▼クランベリーズの『Dreams』は名曲