コロナ禍に一大旋風を巻き起こした『愛の不時着』。今回ご紹介するのは、本作の脚本家パク・ジウンさんが新たに手がけた韓国ドラマです。

放送開始後から着々とファンを増やし続け、最終話の視聴率は『愛の不時着』超えを記録。配信されるたびSNSが大バズり＆韓ドラ好きを一喜一憂させた大ヒット作の見どころとは……？

毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。

今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflix韓国ドラマ『涙の女王』を観て、カウチポテトになっちゃお〜！

【あらすじ】

ソウル大法学部出身のエリートで、故郷の村では「地域の名士の子」として生きてきたヒョヌ。大学卒業後に新入社員として入社した百貨店で、インターン生としてやってきたヘインと出会います。

新人とは思えないほど態度がデカい上に、失敗を繰り返すヘイン。心優しいヒョヌは、そんなヘインを放っておけず、アレコレ世話を焼いているうちに恋に落ちてしまうのです。

実はヘインは、百貨店を経営するクイーンズグループのご令嬢でした。その事実を知ったヒョヌはいったん身を引こうとしますが、ヘインの逆プロポーズによって結婚することに！

それから約3年、妻の実家で暮らしていたヒョヌは冷たい妻と義理実家からのパワハラに耐えられなくなり、離婚を決意します。しかし、ちょうど同じタイミングでヘインが余命3カ月であることが判明して……!?

【ココが見どころ！】

＜その1：伏線だらけの演出と構成が見事＞

心の底ではお互いを大切に想っているのに、自覚がなくて、すれ違い続けるヘインとヒョヌ。そんなふたりが、自分の気持ちに素直になり、今まで以上に愛情が大きくなってゆくさまを、全話通してコミカルかつシリアスに描いていきます。

実はヘインとヒョヌのあいだには、運命としか言いようのない「縁」があるのですが……その縁が次第に明らかになってゆく構成がお見事！　物語に巧妙に仕込まれた「伏線」が回収されてゆくたび、カタルシスにも似た快感を得られることでしょう。

各話の最後に流れる「エピローグ」にも、「あのシーンの裏側ではこんなことが起きていました」といったネタばらしが盛り込まれています。こちらも絶対に見逃さないで。

＜その2：次第に「家族」になってゆく描写に涙＞

本作の軸となるのは、ヘインとヒョヌによるラブストーリーですが、見どころはそれだけじゃないっ！　ギャグあり、人間ドラマあり、ミステリー＆サスペンスありと、さまざまなジャンルを楽しめる作品でもあるんです。

中でも、ヘイン家＆ヒョヌ家の面々が、本当の家族になってゆく描写は必見。

はじめこそ、価値観もそりも合わない両家でしたが、9話で起きる出来事を境に関係性が一変するのです。

また、ヘインには、スチョルという（愛すべき）おバカな弟がいるのですが、彼の成長ぶりにもぜひ注目してほしい〜〜！　詳しいことは言えませんが、全話鑑賞し終えたときおそらく多くのファンが、「本作でスチョルがいちばん好き」となっちゃうのではないかしら。

＜その3：報われなさすぎる悪役・ウンソンの悲哀＞

本作を語る上で欠かせないのが、ヘインとヒョヌの幸せを邪魔する悪役たち。とりわけ、ファンのあいだでよく名前が挙がっていたのは、ヘインに恋い焦がれるウンソン。

ヘインに異常なほど執着し、あの手この手でヒョヌとの仲を引き裂こうとする男で狡猾なやり口にイライラしたファンも多く、新しいお話が配信されるたび、「くぅ〜〜〜っ！ こいつムカつくんだけど〜〜〜〜〜っ!!」とSNSを騒がせていました（笑）。

かくいう私も、ウンソンのことを好きにはなれなかったけれど……ウンソンの呪われた運命があまりにも気の毒で憎み切れませんでした。物語を盛り上げるキーパーソンでもあるので、ぜひ注目して！

【韓ドラ好きならテンション爆上げ！】

1話あたり約1時間半、全16話で構成される本作には、韓ドラ好きが狂喜乱舞するシーンがたっぷり盛り込まれています。

『愛の不時着』へのオマージュ、『ヴィンチェンツォ』に登場するあの人のカメオ出演をはじめ、『星から来たあなた』『サイコだけど大丈夫』『サム、マイウェイ〜恋の一発逆転！〜』を彷彿とさせる場面も出てきます。

それに、チョイ役の俳優さんがいちいち豪華すぎるんですよ……！

とにもかくにも、韓ドラ好きなら観てほしいです。韓ドラの王道ともいうべき作品でもあるので、韓ドラ初心者にも強くオススメしたい〜〜っ!!

■今回ご紹介した作品

Netflixシリーズ『涙の女王』（原題：눈물의 여왕）
独占配信中

※カウチポテトとは：ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。

執筆：田端あんじ (c)Pouch