【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して本音レビューをします。

2026年、最初にピックアップするのは、映画『エルヴィス』(2022)の主演・オースティン・バトラーさんの最新主演映画『コート・スティーリング』(2026年1月9日公開)です。お隣さんの猫をあずかったがために犯罪に巻き込まれていく男をオースティンさんが全力で熱く演じていますよ!

さっそく、ご紹介します。

【物語】

舞台は1998年のニューヨーク。野球選手になる夢が敗れ、恋人のイヴォンヌ(ゾーイ・クラヴィッツさん)と暮らしながらバーテンダーとして働いているハンク(オースティン・バトラーさん)。

ある日、ちょっと変わったお隣さんから猫の世話を頼まれます。しかし、そのときから、彼の家に街のマフィアたちが訪れ、大暴れするのです!

【アメリカ映画らしいハチャメチャさ】

有望なメジャーリーガー候補だったのに怪我で夢を諦めざるを得なかった主人公・ハンク。彼女もいるし、仕事もあるけど、こんな生活は求めていなかった。

冴えない人生だな〜と思っていたある日、可愛い猫が彼の元に。「数日預かるだけならいっか」と思ったら、知らん男たちが殴り込んできて、突然、「なんだなんだ、ど〜なっているんだ」の大騒動! その騒動は犯罪と大金がらみ。

11444936 – Caught Stealing

そして彼はある場所から重要な鍵を見つけるけれど、お酒の席で酔っ払って鍵をどこに置いたかわからなくなってしまうという。猫を預かってからオースティンさんはずっと爆走しっぱなし。

全体的にスタイリッシュというより、ベタなアクションコメディな仕上がりなんですよ。

【オースティン・バトラーの新展開】

オースティンさんといえば、『エルヴィス』以降、『デューン 砂の惑星PART2』『ザ・バイクライダーズ』『エディントンへようこそ』など、キラキラスター街道を歩まず、メジャーとインディーズの境界線上で結果を残してきた俳優。

個性的な役が多く、今回もひとクセある役どころではあるけど実にわかりやすいし、コメディに振り切って演じているのが新鮮。ハンクは基本ダメ男なので、これまで見たことのないオースティン・バトラーを見た感が強いです。

そして、いやに彼の顔アップが多いように思いましたねー。やはりあの美しい瞳と色気にはベテランのダーレン・アロノフスキー監督も抗えなかったんだな、撮りたくなっちゃったんだなと。特に最後のドアップはまさに眼福!

【困難が人生を上昇させる】

ネタバレになるので多くは語れないのですが、下ネタや殺しもあり、けっこうカオスな世界観です。

下手したら殺されるかもしれない状況に追い込まれ「俺の人生なんなのよ」と思ってもおかしくないのですが、恋人と暮らしながらバーテンダーをやっているときよりも、ハンクがイキイキしているような気が。「何がなんでも生きるぞ!」みたいなポジティブさにつながっていると感じました。

ハンクを演じたオースティンさんも

「ハンクはニューヨークで最低限の暮らしをしている。そこに命のやり取りになる状況が次々に襲いかかる。それが心臓に電気ショックを与えるように彼を蘇生させ、彼が大切な人を守るため、そして自分が死なないために責任を引き受けさせるんだ」(公式インタビューより抜粋)

と語っています。

とんでもない不運を人生の転機に変えていくハンク。気持ち次第で人生は変わっていくものなんだと改めて思いました。

新年1発目に見るのに最適なアクションコメディ『コート・スティーリング』。オースティンさんの新たな一面を楽しみつつ、彼の美しい瞳に吸い込まれてください!

執筆:斎藤 香(c)Pouch

コート・スティーリング
2026年1月9日(金)より全国ロードショー
監督:ダーレン・アロノフスキー
原作・脚本:チャーリー・ヒューストン
キャスト:オースティン・バトラー、レジーナ・キング、ゾーイ・クラヴィッツ、マット・スミス、リーヴ・シュレイバー、ヴィンセント・ドノフリオ、ベニート・マルティネス・オカシオ