8本の脚をもつタコ。実は3つの心臓と9つの脳があり「極めて知能が高い生き物」ともいわれています。

今回ご紹介するのは、水族館で暮らす「ミズダコ」のおはなし。タコが主役と侮るなかれ(?)、SNSでも「おもしろい」「泣ける」と大絶賛されており、ランク外からじわじわ順位を上げているんです……!!

毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。

今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflix映画『親愛なる八本脚の友だち』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!

【あらすじ】

小さな町の水族館で夜間清掃の仕事をしている女性トーヴァ。とある理由で家族を亡くし、孤独な日々を送っていましたが、水族館の生き物たちと一緒にいるときだけ心が慰められていました。

トーヴァのお気に入りは、ミズダコのマーセラスです。いっぽう、マーセラスのほうもひそかにトーヴァを気に入っています。だってトーヴァは水槽のガラスをキレイに磨いてくれるし、騒々しくないし、やさしい。

そんなある日のこと、マーセラスはトーヴァがひた隠しにする「心の穴」と「深い苦悩」に気づいてしまうのです。彼女の心を癒やさなければ───そこへ人生迷走中の青年キャメロンが現れて、事態は思わぬ方向へ!?

【ココが魅力!】

<その1:孤独なふたりをつないだのは「タコ」だった>

トーヴァとキャメロンはそれぞれ孤独を抱えていました。しかもその孤独は、そう簡単に癒やせるものではなかった。年齢も性別も生き方も、なにもかもが異なるふたりでしたが、実は似た者同士だったのです。

ミズダコのマーセラスは、そんなふたりの仲を深めようと奮闘します。

ささいなことでケンカをするなど、最初はなかなか相容れなかったけれど、マーセラスの絶妙なサポートによって「心の距離」を縮めていくふたり。やがて、お互いを支え合う親友のような存在になっていきます。

<その2:喪失と再生の物語>

誰かを失っても、そのうちきっと、別の誰かとつながることができる。自分は孤独なのだと思っていても、ふとまわりを見渡せば、誰かしら心配してくれる人がいる。

本作を鑑賞していると、そんなふうに思えてくるのです。

喪失感というものは、底も果てもなく、永遠に続くかのように思われるけれども、人生には必ず「再生の瞬間」があります。いま、自分は人生の底にいるのだと思っている人にこそ見てほしい作品です。

<その3:ふたりを取り巻く人々のあたたかさ>

トーヴァとキャメロンが暮らす町には、心やさしい人がたくさん住んでいます。というか、もはや「やさしい人しかいない」んですよ。

トーヴァの女友達3人組は、おせっかいでゴシップ好きだけど、めちゃくちゃ友情に厚い。本当につらいときに寄り添ってくれるやさしさがあるというか、懐が深いんですよね……(涙)。

キャメロンやトーヴァを助けてくれる日用品店のイーサンも、水族館を営むオーナーも、みんなやさしくてあたたかい。そのやさしさに、たびたび泣かされてしまうこと必至です。

【原作は「小説」なんです】

本作の監督・脚本を務めたのは、世界的ベストセラー小説を映画化した『ザリガニの鳴くところ』のオリヴィア・ニューマンさん。

そしてね、実は本作も全米で100万部を突破した同名小説『親愛なる八本脚の友だち』(著者:シェルビー・ヴァン・ペルト)を原案としているんです。

映画を観たらきっと、小説も読みたくなるはず。それぞれの視点から見つめることで、物語をより深く楽しめるのではないかと思います。

■今回紹介した作品

親愛なる八本脚の友だち』(原題:Remarkably Bright Creatures)
Netflixで独占配信中

※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。

執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:Courtesy of Netflix © 2026.、Diyah Pera/Netflix © 2026.