全体的に暗めのトーン、色は多くを使用しない。フォルムは洗練されたグラマラス、どこかアンダーグラウンドな雰囲気を漂わせるファッションの端々からは、物語を感じさせられる……。
リック・オウエンス(Rick Owens)がフランス・パリで行った2016年春夏コレクションのランウェイには、このブランドならではの特徴が全面に表れています。
とりわけ「物語を感じさせられる」ことについて強調されているのが、今回のショーの特長で、タイトルは「CYCLOPS(サイクロプス、ギリシャ神話に登場する巨人種の名前)」。
ところが、ショーの公式動画を見てみると……颯爽と歩くモデルたちに交じって、なんと、逆さになった人の両足を肩に担ぎ、前にぶら下げるように抱っこしている(!)モデルが登場。
他にも、逆さになった人の両足を同じように肩にのせ、手を使わずにおんぶして歩いているモデルさんもおりまして。もはや空いたお口が塞がらないっ。
なのに、モデルさんたちは一様に涼しげに、ランウェイを通り過ぎてゆくというシュールな演出。観客らが度肝を抜かれたことは想像に難くありません。