本日は、日本における韓流ブームの移り変わりについてお送りする。

今年の8月に日本デビューを果たした韓国の女性アイドルグループ「少女時代」が大人気だ。10月にはオリコンシングルウィークリーチャートで2位になるなどかなり勢いのある様子。

彼女らは日本デビュー当時から、韓国での活動を全面ストップして日本活動に専念しており、これについては韓国のファンからも苦情が殺到しているとか。今回はそんな勢い真っ只中のK-POPと韓流についてのお話だ。

「韓流は終わった」との文句をいろんなニュース記事で見かけるようになって数年経つが、相変わらず私の周りのマスコミ関係者は「売り上げがプラス成長しているのは韓流だけ」と言う。私が日本のマスコミ業界で仕事をしているせいなのか、それともそれほど韓流に興味がなかったからなのか、入ってくる情報に矛盾があった。しかし今回の「少女時代」を見て、もしかしたら「どちらも正しいのではないか」と思うようになった。

少し韓流についておさらいをしておこう。韓流というのは2003年に『冬のソナタ』から本格的に始まった韓国ブームで、中高年の女性が夢中になる新たなホビーとして日本に浸透した。しかしこれもすでに過去の話だ。韓流ファンのほとんどが女性なのは相変わらずだが、その年代枠は7年前とは大きく異なっている。ファンに20代や30代がいるのは当たり前で、冒頭の「少女時代」の場合、ファンのほとんどが10代なのだ。

となると「韓流は終わった」という文句も、「韓流の売り上げが上がっている」も、矛盾していないということがわかる。前者の韓流がいわゆる「オトナ向け」なら、後者は「ティーン向け」ということだ。ただ、経済的に自立していないティーンによる市場は見込めるのか、という問題が最後に残る。

しかしこれにはカラクリがある。韓流好きの母親の影響で韓流に興味を持ち始めた娘が、キャッチーなメロディを引っさげた平成生まれの同性アイドルに夢中になるのは当然なのだ。しかも母親としてはむさ苦しい男性ファンだらけのAKB48を好きになるより安心感がある。さらに嫁の韓流出費にいい顔をしない旦那にいい訳もできる。「少女時代」が好きな娘にとって、母親は立派なパトロンになりうるのだ。

時代とともに韓流の形をかえてきている。流行というものは必ずいつか飽きられる日が訪れるもの。常に変化していかなければならないのである。いいポジションを見つけたK-POPだが、今後の変化に興味が湧いてた。