茶碗蒸しって、自分で作ったことがないという方も多いのでは? 「作り方がわからない」「蒸し器を使うなんてたいへんそう」あたりがその理由でしょうか。

しかし! 電子レンジで簡単に作れるとしたら? しかも、たこ焼きや肉団子を入れた斬新な茶碗蒸し……これはチャレンジしてみる価値アリですよ!

参考にするマンガは『澤飯家のごはんは息子の光がつくっている。』(山田可南/小学館)。母親を亡くした中学1年生の澤飯光が、一家のごはん係としてさまざまな料理を作るこのマンガ。「たこ焼き入り茶碗蒸し」は亡き母の思い出の料理として、母親の友人が光に教えてくれた一品です。

【材料】(4人分)
卵液…卵2個、だし汁…300ml、しょうゆ…小さじ1、塩…少量、冷凍たこ焼き(解凍したもの)…4個、肉団子…4個、鶏肉…80g、その他もちなどお好みの具

【作り方】
1、鶏肉はひと口大の薄切りにし、酒としょうゆをふりかけて軽くもみ、下味をつけておく。その他の具があればひと口大にしておく
2、ボウルに卵を割り入れ、卵白を切るようにして溶く。塩、しょうゆを加えてよく混ぜたらザルなどでこす
3、耐熱の器に具材を並べ入れ、2を静かに注ぐ
4、ラップをかけて小さな穴を数カ所あけ、、電子レンジ弱(500w)で7~8分加熱。串を刺して澄んだ汁が出ればOK

実は、茶碗蒸しって電子レンジでも作れるんですね! 「卵液が飛び散るのでは?」と心配な方もいるかと思いますが、ラップをして爪楊枝などで小さな穴(10箇所ぐらい)を開ければ大丈夫。

卵液をこす作業が若干めんどうくさいですが、これぐらいの少量の場合、私はザルではなく茶漉しを使ってこしちゃいます。ボウルではなく注ぎ口のついた計量カップなどを使えばさらに、流し入れるときもラクチンですよ。

さてさて。できあがりはというと……。

スプーンですくうとホロホロと崩れ、電子レンジでも柔らかでなめらかな茶碗蒸しがちゃんと作れました!

そして、このレシピの面白いところは、なんといっても中身! 普通、茶碗蒸しの具材といえばエビ、かまぼこ、しいたけ、鶏肉、ぎんなんなどが思いつくところです。けれど、今回のレシピにはしいたけ、鶏肉は入れていますが、他には、たこ焼き、肉団子、おもちまで! いったいどんな味になるのか……ワクワクしながらぱくり。

おいしい! これ、イケますよ! マンガの中で「明石焼きみたいでウマイんだよな、コレ」と光のパパが言っていますが、その通り。茶碗蒸しのお出汁がたこ焼きに染みこんで、口に入れるとふんわりじゅわ~っ! 味の染み込んだお揚げ、もしくはお麩、もしくは……そう、やっぱり明石焼き!

意外にも、肉団子もしっかりマッチしています。これは子どもなんかは喜びそうだなあ。

さらに、もち! ビックリするぐらいイイ仕事してくれてる。熱したことでトロ~ンと溶けて、卵のやわらかさと渾然一体になっているのです。「どうしてこれまで人間は茶碗蒸しにもちを入れようとしなかったのだ!」と悔やまれるレベルといえます。

今回、このレシピを作って思ったのは、茶碗蒸しの具材に対する固定概念は取り払ってよい、ということ。なんでも好きなものを入れたればええんや! そう考えると、チーかまも合いそう、焼き鳥やエビチリ、タラコなんかはどうかな、なんてチャレンジしたい具材がいろいろと出てきたり。ちなみに、光の母親が作るときはいつも、うどんが入っていたそうです。

まずはたこ焼きや肉団子、おもちを入れてお試しあれ♪ これまでにない新食感にビックリ&感動間違いナシですぞ! 『澤飯家のごはんは息子の光がつくっている。』には、他にもおうちで気軽に作れるお料理がいろいろ。全2巻出ていますので、どうぞ手にとってみてくださいね!

(料理、写真、文= 鷺ノ宮やよい)

参考元:『澤飯家のごはんは息子の光がつくっている。』(http://goo.gl/QOhW8

▼電子レンジでもこのとおり! 
ホロホロと口のなかでとろける柔らかな茶碗蒸しが作れますよ