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米国ノースカロライナ州Raleigh。ここに、約30年前からひっそりと佇むミステリーハウスがあります。いわゆる普通の一軒家のようですが、よく見ると郵便受けはなく、カギ穴もニセ物、ドアも窓も開かず、電気も灯らない、まるで幽霊屋敷のような建物です。

一体これは誰が何のために建てたのでしょう? 外界と連絡を絶って生きていくと決めた孤独な老人の住居? 冷戦時代に作られたスパイ組織のアジト? はたまた最新兵器の格納庫?

今回は、ニュースサイト「wunc91.5」で掲載されている、何とも不思議なミステリーハウスについてご紹介します!

Wade 通り3215番地にあるこのミステリーハウス。家の裏手に回ると厳重に管理された入り口があり、そこから家の中に入ると……なんと、そこには衝撃の光景が!!

なんとなんと、重厚な機械がずらりと並んでいるではないですか! いったい、どういうこと?

実はこれ、この町に水を運ぶためのポンプ場なのだとか。ビックリですね! ポンプ場とは、水に圧力を加えて水を押し上げる作業ををするところ。地形上、町の各家に水を供給するためにはポンプ場が不可欠で、これがなければ水が逆流してしまいます。この町には約20のポンプ場が設置されていますが、もちろん家の姿をしているのはここだけです。

では何故、わざわざ家の姿をしたポンプ場を作ったのでしょうか? 普通のポンプ場でいいじゃん、と思いませんか? ここには、あるストーリーが存在します。

1970年代終わり、町の専門家たちは、ポンプ場をこの場所に設置するのが地形的に一番良いと判断しました。しかし、教会や住宅が密集するこの土地に、ポンプ場のように不格好で騒々しい建物を建てることは難しく、頭を悩ませた彼らはこんな名案を思いつくのです。

「外観を、普通の家のようにしてしまおう! これなら全く景観を損なわない。そして壁を防音にすれば音も外に漏れないよ」

外観を損なわず騒音も生み出さないこのポンプ場は、近所からの苦情も一切なく大成功でした。

同じような理由から、ポンプ場や発電所を家のような外観で作っている場所は全米各地にあるとのこと。外観的に少々難ありな公共施設をすんなり町に融合させるこの大胆な発想に、脱帽です!

参照元=wunc.91.5
(文=中野麦子)