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1日の大半を1人で過ごすこと。会話を許されるのは日曜日に行われる、4時間のウォーキング時間のみ。楽器は禁止、訪問者もラジオもテレビも一切許されない。持ち物は、小さなブリキの箱1つに収まる分だけ。

これらはすべて、フランス・アルプス山脈の山地に建つ伝説的男子修道院「グランド・シャルトルーズ修道院」で暮らす修道士たちに、実際に課せられていること。

上記に示したような厳しい戒律で知られる同施設。これまで一切明らかにされていなかったその内部に、初めてカメラが潜入、ベールに包まれていた全貌をカメラに収めました。

完成後「サンダンス映画祭2006 審査員特別賞」「ヨーロッパ映画祭2006 ベストドキュメンタリー賞」などなど、数々の賞を受賞した注目作が、7月12日、いよいよ日本でも公開されます。

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映画「大いなる沈黙へ ―グランド・シャルトルーズ修道院」の撮影交渉が初めて行われたのは、さかのぼることおよそ30年前の、1984年。しかし当時、同施設から返ってきた答えは「まだ早い」。

監督の元へ「準備が整った」と連絡が来たのは、なんとその16年後。課された条件は「音楽なし」「ナレーションなし」「照明なし」「中に入ることができるのはフィリップ・グレーニング監督本人のみ」といった、なかなか厳しいものでした。

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その後準備に2年、撮影に1年、編集に2年。構想から実に21年という歳月をかけてついに完成したのは、今まで誰も観たことがなかった、静かな静かな、ドキュメンタリー映画。

東京・神保町「岩波ホール」ほか全国で公開される同作はあらゆる点で興味深く、ワンシーンごとすべてが、貴重です。静けさが消えてしまったかのような現代にひっそりと佇む、美しき静穏。興味を持たれた方はぜひ、映画館へと足を運んでみてはいかがでしょうか。

参考元:映画「大いなる沈黙へ ―グランド・シャルトルーズ修道院」オフィシャルサイト
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼あの「シャルトルーズリキュール」を製造したことでも有名な修道院です