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前回のNHK朝ドラ「花子とアン」の中で、息子を亡くした蓮子さんの黒髪が一夜にして真っ白になってしまいました。またよく知られたエピソードとして「悲劇の王妃マリー・アントワネットのブロンド髪が処刑への恐怖で総白髪になった」というものもあります。一夜で白髪、ちょっと怖いですよね！

けれど、記者（私）の周りにはストレスや恐怖が原因で黒髪が総白髪になったなんて人、ひとりもいません。蓮子さんのようなことって、本当にありうるのかしら。

そんな疑問をクリアにすべく、専門家の先生に「一夜にして黒髪が総白髪に変わることはあるのか」について尋ねてみました。

【専門家の先生に聞いてみた】

教えて下さるのは、日本臨床毛髪学会常任理事の倉田荘太郎先生。倉田先生は、アデランスのメディカルアドバイザーも務められています。
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Q.　強いストレスや恐怖感で「黒髪が一夜で総白髪に変わる」ことはあるのでしょうか？

A.　 一夜にして総白髪になることはありません。しかし、忙しい、大きな問題を抱えていてじっと鏡を見つめることがない、等の条件で自分の髪に目を向けることが減ってしまうことはよくあります。そんな折、ふと真剣に鏡を見てみるとたくさんの白髪があることに「気づく」というのが事実でしょう。　

Q.　「一夜にして」とまではいかなくても、強いストレスが原因で白髪が増えるということはありますか？

A.　 ストレスと白髪の関係は不明です。「大きなストレスがあれば白髪になる」というのであれば、世の中には総白髪の方が蔓延していると思います。

とはいえ、大きなストレスを受けたあと、白髪が増えたように感じる方が多いのも事実です。ストレスがかかることによって、体内でホルモンや神経がどのように変化するか、また毛包のメラノサイトや色素幹細胞へどのような影響があるかを知ることは今後の課題でしょう。

Q.　一度白髪になってしまった髪が、また黒髪に戻ることはありますか？

A.　白髪のメカニズムとして、毛母のメラノサイトが一時的に働かなくなることも考えられますので、その場合には回復するケースもあります。日常的に先の方が白髪で根元が黒い毛を発見することもあるはずです。

確かに、“強い恐怖やストレスにより総白髪になることがある”のであれば、「就活が大変で総白髪になっちゃったよ」なんていう会話が聞こえてきても良さそうですが、少なくとも記者（私）はそんな声を聞いたことはありません。

というわけで、恐怖やストレスで一夜のうちに黒髪が総白髪に変わることはないということがよく分かりました。あ〜スッキリ。ご協力いただいた倉田荘太郎先生、ありがとうございました！

【マリー・アントワネットや蓮子さんの白髪については諸説が】

ちなみにマリー・アントワネットについては、2ヶ月の牢獄生活で手入れをせずに傷んだブロンド髪が白髪に見えただけという説があったり、蓮子さんのモデルとなった宮崎燁子（みやざきあきこ）さんについては、息子の戦死を機に白髪染めを止めた為に元の白髪に戻っただけという説があったりもますが、どちらにも様々な見解があり、実際はどうだったのか正確なことは分かっていません。

「一夜にして総白髪に……」なんて怖いことは起きないと分かったけれど、未だ解明されていないことが多い”ストレスと白髪の関係”。白髪が怖いアラフォー世代の記者（私）としては、詳しい研究結果の出現が待ち遠しい限りです。

協力＝くらた医院院長 倉田荘太郎先生、株式会社アデランス
撮影・執筆＝南野バンビ (c)Pouch