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個性豊かな人々が集まる街、高円寺。そのなかでも、知る人ぞ知る秘境的な面白スポットが『なんとかBAR』。

通称「なんバー」は、日替わりの店長たちが作ってくれる、美味しくてリーズナブルなメニューと、個性派揃いのお客さんとの会話を楽しみにする人たちでいっぱい。日本だけでなくアジアやヨーロッパからも、「なんバー」目指してやってくるお客さんで賑わっています。

ところが、元々古かった店の老朽化がこのところグッと進んで、あちこちボロボロに。しかし修理するお金はないため、惜しまれつつも3月7日をもって、その歴史に幕が降ろされることに……。常連からは「ショック!」「さびしい!」の声が上がっています。

記者(私)も残念でたまりません。震災時には「震災復興支援バー」を行うほか、さまざまな救済イベントを開き、売り上げを寄付してきた当店。地域のコミュニティスペースとしての役割を持っていて、都会のサバンナで乾いたノドをうるおす、貴重な水場のような場所だったのです。そこで復活への願いを込め、お店の魅力と最終日の閉店イベントについてお伝えしたいと思います!

【店は古いが、料理が美味しい! 】

「なんバー」閉店前夜の様子。この日のお店は「ロカキッチン」。明日のイベントに備えてか、お客さんは少なめでした。
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ホワイトボードに書かれたメニュー。ドリンク類が安いっ!
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レッドタイカレーと、ざくろソーダ(250円)をオーダー。ふくろ茸や、オクラ、タマネギなど、野菜たっぷり! 玄米はパラッと炊いてあり、タイカレーにピッタリのモチモチ感。スパイシーな中に野菜の甘みが引き出されていて、とっても美味しいです。
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世界中の人々が残した落書き
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【面白い人が集まる秘密は「まぬけ」 】

なんバーの店長たちや、店に集まるお客さんたちの間で、外せないキーワードが「まぬけ (MANUKE)」。人物に例えるとすれば、落語に出てくる貧乏長屋の与太郎のイメージです。どこか抜けていて詰めが甘く、時には何かをやらかしてしまい、周りの人に面倒をかけつつも憎めない与太郎は、落語の世界では欠陥ではなく「個性」と考えられています。

そんな与太郎がいる長屋の住人たちのように、いろんな体験をシェアしながら、のんびり楽しい暮らしがしたいという店のメッセージに共感する人々が集まっているんです。開店から4年半、高円寺住民だけでなく世界中から集まってきていた人々は、これからどこへ行ったらいいんでしょうか。 

しかし後日、複数の関係者に聞くと「なんとかバーは永遠に不滅です!」という言葉を聞いたのです。転んでもタダでは起きないのが “まぬけ魂” 、何か作戦でもあるのでしょうか? 今後の展開に期待したいと思います!

参照元:ツイッター
執筆=はちやまみどり ©Pouch

閉店イベントでは、歴代の店長たちが交代制でカウンターに立って料理の腕を披露。別れを惜しむ人たちが、ギューギューに集まりました!