中国南西部、四川省の中心都市・成都。ここに6月1日、ある火鍋の店がオープンしました。

このお店、開店後すぐに評判となり、大繁盛。開店から深夜まで、入店を待つ行列は途切れることがなかったそう。

…なのに、わずか2週間で閉店に追い込まれてしまったと、海外サイト「成都商板」が伝えています。

それだけお客さんが来るお店がこんなにも早くつぶれてしまったのには、ある驚きの理由があったそうです。

【開店いきなり大繁盛!】

四川ならではの辛い鍋・火鍋専門店として6月頭にオープンした、「家門儿火鍋」。地元の人々のあいだですぐに大人気となった結果、1日に来店するお客さんはなんと500人以上。オープンは11時からだったらしいのですが、朝の8時からお客さんが列をなし、その賑わいは夜11時まで続いたといいます。

そんな、飲食店関係の人なら誰でもうらやましがりそうな繁盛店が、たったの2週間しかもたなかった…そこには、こんな理由があったそうです。

【やりすぎな会員サービスで客殺到】

記事によれば、繁盛、そして閉店の原因となったのは、オープン記念として掲げた割引サービス。「会員カード代として120元(約2000円)払えば、1カ月ずっと鍋食べ放題」という破格すぎるもので、その結果お客さんが殺到しすぎてしまったようなんです。

鍋屋のオーナーの1人であるス・ジエ(Su Jie)さんは、「2~3時間しか寝られなかった。スタッフ全員が10時間以上働いていた」とコメント。それは儲かっていても店を閉めたくなるような……

【会員カードの使いまわし続出&顔認識システム動かず】

さらに事態を悪化させたのは、ガバガバなチェック体制。太っ腹なサービスを得られる有料会員カードなのだから、本人確認ができるようなものでないとダメだと思うのですが……

「成都商板」によれば、カードは電話番号と写真が記載されたぐらいのもの。顔認証システムも用意したけれど、作動が開店に間に合わなかったんだそうな。結果、本人確認なんてできたものではなく、お客さんたちは会員カードを家族や友人と共有し使いまわしていたらしく……そりゃ人が殺到しますわな~~~!

【この戦略はさすがに無理あるわ…】

安くプロモーションすることで長期的な顧客を得ること、たくさんの顧客がビールなどを大量に頼むことで仕入れ値を下げられる、といった戦略だったそうなのですが、結果的にはおよそ845万円もの負債を抱えてしまったというのだから、聞いているこちらが泣きそうになってしまいます。

オーナーたちは「(プロモーションすることで)お金を失うのはわかっていた」とも話しているようですが、まさかここまで損をするとは思わなかったのでしょうね……。

でもやっぱり、どう考えても、1カ月2000円で食べ放題&ノーチェックっていうのは無理があると思うの~~~!

参照元:成都商板
執筆=田端あんじ (c)Pouch

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