“ご近所トラブル” と一口に言ってもその内容はさまざまですが、メジャーなものといえば “騒音” でしょうか。特に夜中に大きな音を立てられるのは、たまったものではありません。

アメリカ・ニュージャージー州に住む作家のキャンディス・マリー・ベンボー(Candice Marie Benbow)さんは、下の階に暮らすご近所さんが出す騒音に悩まされてきました。

ご近所さんには「夜中3時に大音量で音楽を流す」という困ったクセがあったようで、言うなれば、毎晩毎晩寝室の下でクラブ営業がなされているようなもの。そのまま何事もないように過ごすことは到底できなかったので、ベンボーさんはついに行動を起こしたんです。

【まさかの解決法は、吉と出るか凶と出るか】

こういった場合に考えられる対策は、迷惑だと訴えたり、やめるよう抗議したりすることですよね。しかしベンボーさんがとったのは、フレンドリーな手紙を書き、ケーキを焼いてプレゼントするという、思いもよらない方法でした。

【手紙の内容に人柄が表れています】

ベンボーさんは、ご近所さんに向けて書いた手紙の写真を公開するとともに、一連の流れをツイッターで報告。気になる手紙の内容は

「午前3時47分、私はどうにか眠ろうとするよりも、あなたの音楽の好みについてじっくり考えながらポテトチップスを食べるほうがはるかに有益だと気づいた」

「午前3時55分、こんな時間まで起きてマックスウェルの『アセンション』を歌いながら、上の階のフロアDJになろうとしてるなんて、私はどうかしてる」

といった具合に、事実を織り交ぜながらもユーモアたっぷりで、終始ウィットに富んでいます。

階下の部屋をドアをノックしたものの、応答がなかったので、ドアに手紙とケーキをかけてベンボーさんは立ち去ったのだそう。後で見たら手紙とケーキがなくなっていたので、きっとご近所さんが受け取ってくれたのであろうとツイッターでつぶやいていました。

【なぜケーキを焼こうと思ったのか】

騒音がしたときにどうしてすぐさま乗り込まなかったの? 警察は呼ばなかったの? ベンボーさんのツイッターにはそうした疑問が寄せられていましたが、彼女はこのように返答しています。

「すぐに乗り込まなかったのは、自分の安全のためよ。夜中の3時でブラジャーも見つからなかったし(笑)。警察に通報するのは緊急時だけ。自分でどうにかできることは、自分で対処するわ。警察を呼ぶことで、事態が悪化する可能性もあって怖かったの」

「そうはいっても、独身女性が単身でこういった緊張感のあるネガティブな事柄に向き合うときは、思慮深く行動する必要があるから。私もここで生活していかなきゃいけないし、面と向かってやり合うのではない方法を考えた結果なのよ。ケーキを焼くのも好きだしね!」

【ご近所さんが置かれた状況を聞いて納得】

後日ベンボーさんは、ご近所さんこと、トミー・アマロ(Tommy Amaro)さんという名の男性と直接対面。アマロさんはお詫びの言葉とともに、ケーキの味を絶賛したといいます。

さらに、ミュージックビデオプロデューサーだというアマロさんは(だから毎晩音楽聴いてたのね!)、今年のはじめに交通事故で娘を亡くしたばかりということが判明。

今住んでいる地域にもなじみがなく、娘を亡くしてから初めてのホリデーシーズンを迎えたところだったのだそう。

頭ごなしに怒りを持って接していたら余計に彼を傷つけてしまうところだった、共感を持ってアプローチしてよかったと、母を亡くした経験のあるベンボーさんは話しています。

【ツーショット写真を撮影するほど仲良しに!】

笑顔を浮かべたツーショット写真を撮影するまでに和解をしたベンボーさんとアマロさんは、きっとこの先、いい友人として付き合っていけるのではないでしょうか。

眉間にしわを寄せて顔をしかめ合うよりも、お互いが笑顔になる方法をとってゆくことが、いい関係性を築いていく最善の策なのかもしれませんね!

参照元:Twitter @CandiceBenbowInside EditionMashable
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼ベンボーさんの手紙はこちら


▼和解できてよかった~~~