【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。

今回ピックアップするのは青山剛昌原作の漫画「名探偵コナン」シリーズの最新作『名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)』(2019年4月12日公開)です。今回の目玉は怪盗キッド! 昨年、前作『名探偵コナン ゼロの執行人』を劇場で観たとき、次回の予告に怪盗キッドが登場するや女子たちが「キャア!」と声をあげていましたからね。

“トリプルフェイスの男” 安室透の人気で前作は興収90億円を超えましたが、コナンと怪盗キッドはどこまでいくでしょうか? では物語からいってみましょう。

【物語】

伝説のブルーサファイア「紺青の拳」。この宝石をめぐり、殺人事件が発生します。事件現場には怪盗キッドの血塗られた予告状が!

同じ頃、コナンの友人の蘭と、空手家・京極真の恋人である園子は空手のトーナメントを見るためシンガポールへ。コナンはパスポートがないためお留守番……のはずが、彼を利用しようと企む怪盗キッドがあるトリックを使ってコナンをシンガポールへ連れ出すのです!

【コナンより怪盗キッドの出番が多い!】

劇場版23作目になる映画『名探偵コナン 紺青の拳』は、怪盗キッドが登場する6作目になります。

私は昨年、初めてコナンを鑑賞したので怪盗キッドを見るのは本作が初めて。背が高くモデル体型でクールだけどユーモアもあるイケメン男子のキッドが女子に圧倒的な人気があるのもうなずけます。だからか、本作は怪盗キッド押しがハンパではありません!

コナンよりもキッドの方が活躍の場面が多く「キッドが主役?」みたいな……。でも二人がコンビで行動を共にする様はバディムービーのようで、コナンと怪盗キッドファンはたまらない世界でしょう。

【謎解き要素とアクション満載!】

そのキッドが殺人事件のぬれぎぬを着せられたり、宝石を保管している邸宅の金庫室で罠にハメられたり、真犯人は最初からキッドを巻き込むつもりで犯行に及んでいたようです。

冒頭の殺人事件と「紺青の拳」はどう繋がるのか? 犯人は犯行現場からどうやって脱出したのか? など次々と謎が現れていく展開はワクワクです。

正直、真犯人はなんとなく「この人かな」と目星は付くのですが、トリックまではわからないので、そこはコナンくんの推理に期待! そして謎解きと同じレベルで展開するアクションも楽しいです。

アクションシーンで活躍するのが、最強の空手家の京極真&コナンこと工藤新一の幼馴染の蘭。後半のビッグファイトでは、真は園子を背負ったまま大乱闘! 蘭はキレッキレのアクションで敵をなぎ倒し、スカっとしますよ、スカっと!

【ファンの裾野を広げていく極上エンタティメント】

観終わったら「次はいつかな」と楽しみにしている自分がいてちょっとビックリ。

このシリーズは各キャラがとても立っているので、そこにハマればOK。人間関係など若干複雑な面もありますが、徐々にわかってくることもあるので、最初からすべてを把握しなくても十分楽しめると思います。

コナンファンだけでなく、普通の映画ファンも楽しめるエンタティメントの世界が『名探偵コナン』にはあり、ここ数年の作品で爆発的に興収を上げてきているのは、私みたいな初心者がそのままリピーターになりファンが拡大しているからかもしれませんね。

執筆=斎藤 香(c)Pouch

名探偵コナン 紺青の拳
(2019年4月12日より、全国東宝系にてロードショー)
監督:永岡智佳
原作:青山剛昌(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、山口勝平、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ
(ゲスト声優)山崎育三郎、河北麻友子
(C)2019青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

▼予告編がすでに200万再生超

▼このふたりはどうなるのか…!