お正月の定番の遊びといえば「かるた」。今年は一風変わった「昆虫かるた」に挑戦してみてはいかがでしょうか。

ご紹介するのは「【百人一首風】みんなのこんちゅう和かるた」。

名前にもあるとおり、百人一首風の和歌で昆虫たちの気持ちを詠んだもので、昆虫愛に溢れてる……!

感動すら覚える昆虫たちの世界の歌を、のぞいてみましょ〜♪

【昆虫目線の和歌です】

「【百人一首風】みんなのこんちゅう和かるた」の詠み人は、 “こんちゅうクン” こと北野伸雄さん。

静岡「磐田市竜洋昆虫自然観察公園」の職員で、昆虫にまつわる本の執筆もしています。

今回のかるたには64匹の虫たちが登場。

こんちゅうクンと虫たちが、「ときに楽しく、ときにせつなく、優しい気持ちで」64編の和歌を詠む、という内容になっているみたい。

【「人生」を感じさせてくれるだなんて…!】

公式サイトには一部の札が紹介されているのですが、1つ1つがなかなか深い……!

例えば「チャバネアオカメムシの和歌」は、

「われにほふ 人のぬくもり 拒むため 嫌われ生きる 道もあるかな」
(意味)私が臭いにおいを出すのは、人間のぬくもりに触れないため。人間に嫌われながら生きる。そういう生き方があってもいいじゃないか。

というもので、カメムシの歌にもかかわらず、ふと立ち止まって「人生」を考えさせられます。

そのほかにも、

カブトムシ:「戦はずして 勝つが勝ちなり」(戦わずして勝つのが本当の勝ちなのだ)※孫子の言葉を引用
カマキリ:「動かば食はる さる我が身さへ」(私でさえ動けば食べられてしまうこともある)※食べる側と食べられる側は表裏一体

といった表現があり、歌を詠んでいくたび「おおお……」と、すっかり感心してしまうんです。

深い歌もあればかわいらしい歌もあります。例えばキアゲハの歌は

「揚羽蝶 大人になれば からふれど なつかしきあの 腹のむにむに」
(意味)私たちアゲハチョウは大人になるとカラフルな色合いだが、おなかがムニムニしていた幼虫のあの頃もなつかしいなぁ。

というもので、何度でも声に出して詠みたくなる~! また「カラフルだけれど」を「からふれど」と表現したところにセンスを感じます。

【和歌としても秀逸すぎる】

ユーモラスでありながら人生を感じさせる、昆虫かるた。

和歌としてのクオリティもすこぶる高く、声に出したときのリズムの心地よさ、鮮やかな言葉えらび、どれをとっても秀逸なんですよね……。

昆虫への深い愛と知識がなければ、ここまで昆虫目線での和歌は作れないでしょうし、唯一無二のかるたと言えるのではないでしょうか。

「【百人一首風】みんなのこんちゅう和かるた」は税込み1760円

Amazonおよびオンラインショップ「くまふストア」から購入できるので、年末年始のおうち時間はこんちゅう和かるたと過ごすのはいかが?

参照元:くまふメディア制作事務所くまふストアYouTube
執筆:田端あんじ (c)Pouch